生活・貯蓄を1つの経済圏にすると、いくらお得になるのか

生活の支出すべてをどれか1つの経済圏に絞っていった場合、いくら還元が受けられるのでしょうか。

総務省「家計調査報告」(2022年平均)によると、二人以上の世帯の消費支出は1世帯当たり1カ月平均29万865円です。各費目の支払いを同じ経済圏でまとめたり、同じ経済圏のサービスを利用して支払ったりした場合、いくらお得になるかを考えてみました。

なお、表の作成にあたって、「食料」「家事・家事用品」「被覆及び履物」「教養娯楽」「その他の消費支出」はすべて店舗で決済したものとして計算。還元率は通常の利用でもっとも高い場合にしています(特定の日・店舗で得られる割引を考慮していません)。ネットショッピングの方が高還元率になることも多いと思いますが、わかりやすさを重視して省略しています。

また、「光熱・水道」は「電気」「ガス他」「水道」、「交通・通信」は「交通・自動車」「通信」に分解し、各社のサービスを利用した場合の還元率を示しています。

【図表】各経済圏でお得になる金額は?(支出)
図表=Money&You作成

トップはPayPay経済圏の4951円。ドコモ経済圏がそれに続いて4735円です。大きく貢献しているのが通信費で、光回線・スマホ代ともに10%還元になっています。ただし、10%還元を受けるにはゴールドカード(年会費1万1000円)が必要なことには注意が必要です。

au経済圏は4520円。こちらも、ゴールドカードで通信費のうちスマホ代は11%還元なのですが、光回線が1%還元なので、ここでは平均して6%還元とカウントしています。しかし、電気代やガス代が3%還元なので、健闘しています。

一方、楽天経済圏は3671円、イオン経済圏は3029円となっています。ただ、楽天経済圏は楽天市場のSPUによるポイント大幅還元、イオン経済圏はお客さま感謝デーなどの割引が考慮されていないので、うまく利用すればまだまだポイント還元・割引が得られるでしょう。

貯蓄・投資でもかなり差が出る

さらに、貯蓄・投資をした場合の金利やポイント還元を確認してみましょう。図表7は、各経済圏の金融機関において

・300万円を普通預金に預ける
・普通預金口座で給与受取・クレジットカード・携帯料金の引き落としを行う
・毎月5万円(年60万円)の投資信託積立をする

場合に得られる普通預金金利・ポイント還元の目安(年額)をまとめたものです。

【図表】各経済圏でお得になる金額は?(貯蓄)
図表=Money&You作成

楽天経済圏では「ハッピープログラム」や投資信託の「楽天カードクレジット決済」を利用することで、年間6000円ほどの上乗せが可能。au経済圏も同様で、「auまとめて金利優遇」によって普通預金金利を最大0.2%にできるのが大きいですね。イオン経済圏でも「イオン銀行Myステージ」によって、普通預金金利を最大0.1%にできます。

ドコモ経済圏は普通預金金利こそアップしないものの、「dスマートバンク」でドコモの携帯料金引き落とし・給与受取口座指定をすると月55ポイント、年660ポイントのdポイントがもらえます。また、SBI証券の「投信マイレージサービス」を活用すると、投信保有残高に応じてdポイントがもらえます。なお、ここには含めていませんが、三井住友カードを利用した「クレカ積立」では、これとは別に0.5%〜5%のVポイントがもらえます。

これらはあくまで試算であり、実際の利用状況によってもらえるポイントは変わります。とはいえ、どの経済圏でも使い込むことでお得になることは確実でしょう。