ほかの人を「言い訳」に使ってかわす

こういうタイプの人が上司の場合、部下はどうすればよいのでしょうか。

一つ目の自分が正しいと信じているタイプに対しては、つまりは「悪気のないおせっかいへの対処法」を考えていくことになります。ただ、上司と部下という関係上、「黙っていてください」とは言いにくいですし、適当に流すしかないところがあります。「はい」「はい」と、表面上は聞いたふりをしながら、すべて上司のアドバイス通りにはぜず、適当に受け流す。

ただ、これも行き過ぎると仕事の評価を下げられたりと、問題になってしまいます。何か「言い訳」を用意しておく必要があるでしょう。

例えば、仕事のやり方であれば、「おっしゃる通りやってみたら、確かに途中まではうまくいったのですが、途中でうまくいかなくなってしまいました。そこから先は、ちょうど○○さんからいいアドバイスをいただいたので、その通りやってみました」など、誰かほかの人を理由に持ち出すといいでしょう。「私は、言われた通りやろうと思ったのですが、○○さんに『このやり方でやってほしい』と言われて、仕方なくその通りやりました」など、自分の判断ではなく「人のせい」にするのがポイントです。

このタイプの上司は、悪気はありませんが、自分の考えに自信を持っているので、結果的にその通りにはしなかったとしても、「言われた通りやろうとした」「言われたやり方は素晴らしいと思った」など、その上司の自尊心を傷つけないような一言を加えることをお勧めします。

報・連・相を使って「不安」をコントロール

一方、失敗に対する不安が大きいタイプの上司は、プレーヤーとしては優秀なのかもしれなせんが、そもそも部下に任せる、部下を認めるといった、マネジメントの基本ができていません。こういう場合は、部下の方から報・連・相を密にしていくしかないでしょう。

報・連・相の回数を増やすのが面倒な場合は「この件に関しては、明日の3時に報告します」など、報告のタイミングを予告しておけば、上司の側は「明日の3時に報告してくるのなら待とうか」と思えます。

定期的に報・連・相をするタイミングを決めておくのもいいでしょう。たとえば「毎週水曜日の3時に進捗を報告する」などです。あらかじめ決めておけば、いちいち連絡せずにすみます。

上司にしてみれば、進捗がわからないことが不安なわけですから、その不安をコントロールするのです。早いタイミングで報・連・相すること、そのタイミングを予告したり、あらかじめ決めておくことで、不安をコントロールします。

付箋で覆われたノートパソコン
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