他のアプリと違うのは、一度投稿を見ると1~10秒で消えてしまうことです。インスタやTikTokでは、投稿した写真や動画は削除するまで残ります。不特定多数にも見られます。Snapchatは時間が過ぎれば投稿は消えるため、限られた友達、グループ内で気軽に投稿ができます。

Snapchatのアイコンが表示されたスマホの画面
写真=iStock.com/stockcam
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すぐに消えるので「いいね」や「映え」、キャラづくりも不要です。それがZ世代にウケているのです。ここ数カ月で日本でも再び注目されるようになってきました。

このほか、5~6人の友達とゲーム感覚でタスク管理ができるhabitica(ハビティカ)、通知が来たら2分以内に無加工の写真を投稿することで“ありのままの自分”を親しい友達のみに見せることができるBeReal.(ビーリアル)、つながる人数に上限があるからこそ「今トイレ」「今お風呂」という親密でたわいない報告ができるBondee(ボンディー)など、「いつメンSNS」は挙げ出したらキリがありません。

SNSを駆使するZ世代のトレンドに、僕のような昭和世代の人は隔世の感を覚えるかもしれません。でも、私たちも大学生の時は友人たちと「落第するからテスト期間中は絶対に飲みに行かないことにしよう」「図書館に集合してみんなで勉強しよう」と言い合っていましたよね。

アプリか、アナログかの違いはありますが、Z世代がアプリを使って「早起きする」「ダイエットする」といった目標を設定し、共有するのも、やっていることは昔と同じではないでしょうか。

「いいね」だけでは心は満たされない

Z世代の若者は、インスタやTikTok、Twitterで、大勢の人と広く浅くつながっています。その一方で「いつメンSNS」などを使って深く狭くつながろうとしています。

「結局のところ、Z世代は多くの人と交流したいのか、少人数だけで仲良くしたいのか、一体どっちなのか?」という疑問を抱く人もいるかもしれません。

この問いは、時系列で考えるといいと思います。僕は、多くの人とつながりたいというZ世代の欲求心理は、TikTokの大流行でピークを迎えたと考えています。

自分も試しに発信してみたら同世代の知らない人からたくさんフォローされてプチ有名人気分に浸れたけれど、変な人から連絡が来るようにもなり、嫌な目に遭うこともあった――。そう打ち明けるZ世代が大勢いるのも事実です。

かつては、SNSでつながる広く浅い人間関係も持つ一方で、深く狭いリアルの友達も確かにいましたが、コロナ禍の3年で、リアルの交友関係が抜け落ちてしまった。すると、やっぱりSNSの「いいね」だけでは満たされないわけです。