現代の若者は最小限の空間で生きていける

生活費の多くを占めるのが家賃のほかに水道光熱費だ。だが狭小住宅なら部屋がうんと狭いので、寒い時も暑い時も、基本的にエアコンをつけてもすぐに暖かくなり、涼しくなる。電灯も数カ所にしかないので電気代の節約が可能だ。使用するアンペア数も面積が狭ければ、20アンペアや10アンペアなど小容量で契約することで基本料金を節減できる。

風呂もいちいち浴槽に湯をためれば、ガス代も水道代もかかる。日頃はシャワーで十分だ。最近の若者はテレビを見ない。テレビは画面の大型化が進み、壁掛けにでもしない限り、間取りの中では相当邪魔な存在だ。だが若者の多くはスマホで情報を取るので基本的にはテレビはいらない。映画やドラマもNetflixやアマゾンプライムがあれば十分だ。テレビがなければNHK受信料も払わずに済む(実際はスマホを持っていれば対象になるが)。

本や漫画本もスペースをとるが、最近はみんな電子書籍となりタブレットで読むことができる。したがって本棚もいらないからその分スペースを確保できる。

自炊をしなければ、ガスコンロはいらない。朝晩の食事はコンビニとUber Eatsで十分賄える。温めるのは電子レンジがあれば不満はない。なくてもコンビニであらかじめ温めてもらったものを持ち帰ってくれば済む。コーヒーやお茶を飲むには電気ポットで湯を沸かせばよいし、コンビニコーヒーやお茶があればポットさえいらない。

コインランドリー、メルカリ、ジムを駆使

洗濯はどうだろう。近所のコインランドリーを使えば洗濯機を揃えることはない。したがって洗濯機置き場もいらない。

コインランドリー
写真=iStock.com/deepblue4you
※写真はイメージです

一番困りそうなのが衣服だ。衣服が多いとタンスが必要になる。日常服は点数を絞り、壁掛けや簡単な移動式ハンガーがあれば事足りるかもしれないが、結婚式や葬式などに使う礼服などはどうだろう。これらはレンタルで賄える。また、衣服も今はメルカリの時代。季節に応じて衣替えはメルカリを使って、今必要な服だけを手元に置けばよいだろう。したがって衣装ダンスは不要ということになる。

部屋が狭いので掃除も簡単だ。小型のハンディ掃除機で十分だし、箒があれば済んでしまうかもしれない。

物件によってはシャワースペースさえないものもある。風呂に毎日入る必要を感じない人であれば、近所に銭湯さえあれば、東京都の場合で1回500円(税込)である。

またジムで身体を鍛えている人であれば、ジムのジャグジーやシャワー、サウナを利用すれば快適である。ジムの会費は施設グレードにもよるが、平日会員などであれば月額1万円前後のところが主流である。ジム施設内で風呂やトイレなど用を足せば、水道光熱費の負担はさらに極小化しつつ、その一方で身体をしっかり鍛え上げることもできる。