一部の週刊誌が愛子さまと旧皇族のご結婚の可能性について報じている。評論家の八幡和郎さんは「もしこの縁組みが実現したら、好都合だ。しかし、あくまでも本人たちの問題だし、具体的に話が進んでいるという根拠は全くなく、臆測だけの記事は今後の可能性を潰すことになる」という――。
天皇陛下の63歳の誕生日を祝う一般参賀で手を振る愛子さま(2023年2月23日、日本・東京)
写真=EPA/時事通信フォト
天皇陛下の63歳の誕生日を祝う一般参賀で手を振る愛子さま(2023年2月23日、日本・東京)

根拠もないのに印象操作をする週刊誌報道

このところ、愛子さまに関する週刊誌報道が相次いでいる。11ある旧宮家のひとつである賀陽家の2人の息子、とくに次男が愛子様の結婚相手候補として浮上し、すでに出会いの場が設けられたかもしれないというのである。

この3つの記事はそれぞれ、ロマンス仕立て、賀陽さんの皇族復帰推し、旧宮家への嫌悪と色合いが違う。だが、共通しているのは、陛下がどう考えておられるのか、ここ3年間ほぼ外出もされていない愛子さまにどうしてこんな話が浮上したのか、根拠を何も示さずに、大きな動きがあったがごとく印象操作をしていることだ。

皇室の結婚は国家的な問題であり、さまざまな可能性や状況を報道したり、論じたりするのは当然だが、不確かな事実をあたかも話が具体的に進んでいるように報じて目を引こうとするのは禁じ手だと思う。過去の皇室の縁談が、そういう報道のために進めにくくなってきた歴史もある。

賀陽家には10年以上前から注目していた

いま話題となっているのは、天皇陛下の学習院時代の学友で、いっとき、宮内庁に勤務し、その後、外務省に勤務している賀陽正憲氏の2人の息子である。長男は、愛子さまより4歳、次男は2歳年上である。長男は学習院高等部から早稲田大学政経学部、次男は同じく工学部に進んでいる。

内親王方と旧皇族の男子が結婚するとしたら、この2人しかいないという話は、私が10年以上前から発言しており、政治家、皇室研究者、ジャーナリストにも事あるごとに説明してきたし、安倍元首相にも首相在任中に詳しく説明したことがある。