「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」ではない

親のサポートが十分でも、子育てがうまくいかない場合もあります。

とくに発達障害やグレーゾーンの子どもには、親は非常に困惑させられます。

親にとって一番つらいのは、子どもと気持ちを通わせられないことでしょう。

発達障害の子どもは人と目を合わせなかったり、スキンシップを嫌がったり、場合によっては相手が親であっても無関心だったりします。

この場合、親は厳しい試練にさらされます。

「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」

そう言われることもありますが、現実にはなかなか難しいことがあるのも否定できません。

親自身もそんな自分を責めてしまい、うつになることも多いです。

親自身に虐待された経験がある、夫婦関係がうまくいっていない、経済的な問題を抱えているなどの場合、子どもに愛情を注ぐのが難しくなります。

益田裕介『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』(KADOKAWA)
益田裕介『精神科医が教える 親を憎むのをやめる方法』(KADOKAWA)

また、親が発達障害の場合、子どもへの愛情や関心が希薄になることがあります。

「親と子ども、どちらが悪いのか?」という視点で語ることに、あまり意味はありません。

必要なのは「親は子どもに無条件の愛情を注ぐもの」という世の常識に、留保を加えることです。

親に愛されなかったと感じている人(もしくは子どもを愛せないと悩んでいる人)には、とくに重要な視点となります。

「親は子どもを愛して当然」という考え方に、「ただし例外はある」とつけ加えることで、親子関係に一定の客観性がもたらされるでしょう。

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