高齢者になったら車の運転をしない方がいいのか。精神科医の和田秀樹さんは「まだ車の運転能力があるのに、地方の高齢者の車を取り上げることには憤慨すべきだ。運転をやめた高齢者は要介護リスクが8倍になるという調査結果もある」という――。

※本稿は、和田秀樹『80歳の超え方』(廣済堂出版)の一部を再編集したものです。

車を運転する高齢者
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世の中をはぐらかすぐらいの気持ちでいよう

高齢者の方に「ボケ」と言うのは、差別だということで使わないことが原則になりました。でも、ボケという言葉に侮蔑的な意味合いは本来ないと思っています。

漫才にもボケとツッコミがあります。ツッこむ頭の回転が速い人ばかりでは世の中疲れます。ボケとツッコミの両方あってこそ、漫才は面白いのです。

高齢者はボケるくらいがちょうどいい。人類のボケになって、世の中をはぐらかすぐらいの気持ちでいたいものです。

私も最近、人の名前が思い出せないことが多いです。友人と昔の映画の話をしていて、「あの映画だよ」「監督は、あれだな」「女優は……顔は思い出すのに名前が出てこない」というようなことがよくあります。

最後にはスマホで検索して、「これだよ」と納得します。そして「お互い、ボケたよな」と笑うのです。

年をとったら、切れ者、できる人からは降りましょう。少々、ボケているほうがかわいいと思います。

「ボケとは、なんだ。失礼ではないか」と怒る方もいらっしゃると思いますが、はっきり言うと威張る高齢者は嫌われ者になります。

ときどき、公共の場でも「けしからん」と怒っている高齢の男性を見かけることがあります。たぶん、かつては高い地位の役職についていて、いつもまわりが気をつかってくれていたのだろうな、と思います。