禅の精神に反する「ながらスマホ」

朝食に限らず食事全般でいえることですが、「食べながら、スマホをいじっている」人のなんと多いことか。「スマホをいじりながら、食べている」感すらあります。

そんなふうにして食事からスマホに意識が奪われると、最悪の場合、自分が何を食べているのかもわからなくなります。

また「嚙む」ことも疎かになり、消化によくありません。そのうえ、脳からの“満腹信号”が遅れるために、ついつい食べすぎてしまいます。結果、味覚の衰えや消化不良、肥満などの体調不良をまねく危険があります。

禅では「喫茶喫飯」といって、「お茶を飲むときは、お茶と1つになり切って味わう。ご飯を食べるときは、ご飯と1つになり切って味わう」ことの大切さを説いています。

つまり「食事のときは食事に集中して、おいしさを味わいなさい」ということ。逆にスマホを操作するなら、それだけに集中しなさい、ということです。このように禅は基本的に“ながら行動”を戒めています。

心と体にいいことずくめの「朝散歩」

朝の散歩は本当に気持ちのいいものです。空気はじつにさわやか。歩くほどに、胸がいい気で満たされますし、歩くことで頑丈な足腰をつくることもできます。骨にも刺激が加わり、骨が強化されるそうです。歩くなら朝がベストです。

歩くことはほかにも「脂肪をエネルギーとして燃焼しやすくなり、肥満が解消される」「代謝が上がり、血中脂質や血糖値、血圧の状態が改善する」「心肺機能が高まる」「快感ホルモンの分泌が促され、マイナスの感情が低下する」など、いいことずくめ。

散歩というのは、心身を整える「養生」を絵に描いたような営みなのです。

桜の木がある河川敷を歩く親子
写真=iStock.com/Free art director
※写真はイメージです

ですから、朝、散歩のための時間が取れるなら、取ったほうがいい。何も無理してエクササイズやジョギングをしなくてもいいのです。朝の風景に季節を感じながら、ぶらり歩くので十分です。

「朝の散歩の時間は取れない……」という人は、通勤の駅までの道を利用してもいいでしょう。ちょっと遠回りする、バスに乗る距離を短くする、自転車を徒歩に変えるなどして、散歩感覚で歩くことを楽しんでいただきたいと思います。