2012年6月22日(金)

「ハイボール」25年目の大逆転ホームランを生んだ上司のひと言 -サントリー ウイスキー部課長

検証!「逃げたくなる問題」といかに向き合ったか【3】

PRESIDENT 2010年8月16日号

呉 琢磨=文 小原孝博、小倉和徳=撮影

どうせ置いたって売れないよ……

「とりあえずビール!」

居酒屋でよく耳にする定番フレーズが、新しい飲み物に取って代わられつつある。30歳前後の若者世代を中心として、ウイスキーをソーダで割った「ハイボール」が一大ブームを巻き起こしたのだ。

仕掛け役となったのはウイスキー市場を長年牽引してきたサントリーだ。従来「一番おいしい比率」とされてきたウイスキーとソーダの「黄金比率」よりも薄く割り、レモンを搾った軽い味わいのハイボールを、大ぶりなジョッキで豪快に飲むスタイルを提案。これが見事にヒットして、主力商品である「角瓶」の2010年上半期の出荷量は前年比で68%増加した。国内ウイスキー市場全体の出荷量も前年比10%増加し、サントリーは09年、11年ぶりとなる増産を決定した。

しかし、ほんの数年前まで、国内ウイスキー市場はどん底まで低迷していた。かつてはビールと並ぶ庶民の飲み物として広まっていたが、1983年にピークを迎えて以来、人気は下降の一途をたどる。その後の焼酎ブーム、ワインブームを背景に、25年という長い長いダウントレンドが続き、出荷量はピーク時の5分の1以下にまで落ち込んだ。

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