「妻が夫のおカネをコントロールする」という世帯では、どんな注意点があるのか。経済ジャーナリストの荻原博子さんは「『へそくり』の扱いには注意したほうがいい。専業主婦が作ったへそくりは、厳密には夫からの贈与になるため、贈与税を課される恐れがある」という――。

※本稿は、荻原博子『「夫の財布」はいますぐ妻が握りなさい!』(ビジネス社)の一部を再編集したものです。

通帳を見ながら電卓をたたく人
写真=iStock.com/west
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夫の給与を把握し、毎月の収支を記録すべき

本稿のテーマは、「妻が夫のおカネをコントロールしなさい」というものですが、もちろん、金銭感覚に男女の違いなどありません。ですから家族のおカネは、金銭感覚のしっかりしているほうが管理すべきです。

ところが、世の中には、あればあるだけおカネを使ってしまうという男性が少なくありません。また、仕事が忙しくて生活にまで気が回らないという夫が大半なはず。そうした忙しい人たちに、「上手に家計を管理しろ」と言ったところで、なかなか難しいのが現実でしょう。

だからこそ、妻が夫の給料までしっかり把握し、管理する必要があるのです。現状、給料はたいてい銀行振込ですから、夫の通帳と印鑑、キャッシュカードを共有し、暗証番号も確認しておきましょう。そして、そこから、水道光熱費、食費、塾や習い事代などの支払いがどれくらいか、しっかり見極めるのです。

ただし、もちろん勝手にやるのではなく、家族の生活をよりよくするため、厳しい景気を乗り切るためだということを、事前にしっかり夫と話し合いましょう。そのうえで、忘れてはいけないのが夫への報告。細かなことまではいいですが、大まかにこんなことにおカネがかかったということを記録し、最終的に黒字になったのか赤字になったのかくらいは、月に1回の割合で報告しましょう。

生活していれば、何を買うにも、どこに行くにもおカネがかかります。それを夫にも理解してもらう。そうすれば、家族のおカネをめぐる夫婦間の余計ないざこざや、お互いの不信感も減少し、夫もより家計に協力的になってくれることでしょう。

・博子先生の結論
夫の給料をきちんと把握しなさい
それが家計の改善への第一歩‼