人生の決断は、どのようにすべきか。モナコ在住の起業家プロデューサーで美容家のエミチカさんは、「大きな決断ほど、人に相談してはいけない。自分の声に耳を傾け、自分で決めることで人生を切り開くことができるようになる」という――。

※本稿は、『結局、「手ぶらで生きるひと」がうまくいく』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

モナコ在住の起業家プロデューサーで美容家のエミチカさん
写真=筆者提供

迷っているクライアントさんとの関係を断ち切った理由

「私はこれ以上、あなたのために時間を作ることができません」

私は現在、企業や店舗、個人のブランディングのコンサルタントをしているのですが、冒頭の一言は、あるクライアントさんとの打ち合わせの席で、私が発した言葉です。

関係を断ち切るような厳しい言い方になってしまったのには理由があります。

「迷いの森から出たい」と言いつつも、なかなか動き出そうとしないクライアントさんに、しびれを切らしてしまったから。

そのクライアントさんは、60代の女性でした。ご両親の暮らしていた古民家をリノベーションして、1日2組限定の宿泊施設を経営したいというご相談でした。

初めての面談は1時間の予定だったのですが、気がつけば3時間におよびました。というのも、彼女には理想のイメージがなく、コンサルティングをしながらそれを具体的なイメージに落とし込んでいくことに時間がかかったからです。それでも何とか方向性を示すことができ、私は安堵あんどしていました。

そこで最後に、この先も継続して私が彼女のプロデュースを続けていくかどうか、決めることになりました。

すると彼女は、「息子に相談してから決めてもいいですか……?」と言ったのです。