できること・できないことを明示する

役員をどうしても断れない状況の場合、途中で役員の仕事ができなくなったり、平日の集まりに参加できなくなったりしても構わないか等、自分にとってできること・できないことを明確に提示し、それを条件にしてもらえるなら引き受けるとトラブルを回避しやすくなります。PTAに時間を取られて仕事や家庭にしわ寄せが来ないように、相談という形で了解をとりましょう。

◆転勤の可能性

「今年あたり転勤する可能性があって、もしかしたら任期満了ができないかもしれませんが、それでもよろしいでしょうか?」

◆出張や残業の多い職場

「残業になることが1週間に数回ありますので、会合に遅れるかもしれませんが構いませんか?」

基本的に嘘はつかない

適当な嘘がばれると近所付き合いも難しくなるので、断るときに安易に嘘をつくのは危険です。役員を断っておいて日中頻繁にママ友とランチや趣味をしていたり、外出をしていたりするようでは嘘をついたと誤解されますので気を付けましょう。

陰口をたたかれて、子どもにまで悪影響が及ぶような事態は避けたいものです。本当の事情の範囲内で状況を説明し、PTA役員を上手に回避していくようにしましょう。

今回は、お願いごとをうまく断ってしこりを残さないコミュニケーション術のヒントとして、PTA役員の依頼を断る場面を事例に取り上げました。

PTAはそもそも任意加入ですが、学校によっては実質的に強制加入に近い中、さまざまな意見を持っている保護者がいるのも事実です。PTA役員を引き受けると時間を取られることや、メンバーによっては人間関係による悩みを抱えてしまうかもしれません。

その反面、メリットとしては地域とのつながりができて情報が得られたり、子どもの安全を守る活動や、一緒に楽しめる活動に直接携わったり、子どもの学校生活の様子が分かって、楽しい面もあります。最近は働くママにも負担がかからないように平日の活動を減らす、また、誰もが必ず1回ずつ役員をやるなど公平な役割分担をしているところもあります。

職場同様、地域やプライベートな付き合いでも円滑なコミュニケーションは大切です。ご自身の仕事のペースや家庭の事情に合わせて、地域や子どもの学校関係の人たちともうまく付き合っていきましょう。

【関連記事】
「まあまあ、落ち着いてください」と言ってはいけない…会議でヒートアップした人を鎮静化する"神ワード"
保護者が注目…近ツリのPTA代行サービスが突きつける"何のためのPTAなのか"という深い問い
学校のベルマーク活動はいよいよ衰退の時…下火になるほど"圧力"が増す背景に専業主婦のやるせない思い
銀座ママが「LINEを交換しよう」と聞かれたときに必ず使う"スマートな断り文句"
重要なのは「なにを話すか」より「なにを話さないか」…会話で評判を下げる人の7大特徴