監督が選ぶキャラクターデザインに成功している5作品

【監督】もちろんマンガは「動かすこと」を目的とはしていないので、マンガという表現でベストな作画をしている。対してアニメは「動かすこと」を前提にデザインしないといけないのです。

【シンジ】その結果、絵柄がかなり変わっているものもありますよね。

【監督】作品の内容に沿って、若干デザインを変えることはあります。ここは、マンガの熱狂的なファンがいると難しいところです。今やっている『残光のキビカ』でも試行錯誤を重ねています。

【シンジ】キャラクターデザインで成功していると思う作品はありますか?

【監督】個人的には、『鬼滅の刃』『犬夜叉』『進撃の巨人』『ハイキュー !!』『僕のヒーローアカデミア』などかな。好みの分かれるマンガ家のクセみたいなものが、いい感じに抜けて見やすくブラッシュアップされていると感じるデザインの作品です。ちなみにこれが、『残光のキビカ』のキャラクターデザイン、通称「キャラ表」です。

漫画=大塚隆史、堀田孝之『アニメができるまで』より
大塚隆史、堀田孝之、フナヤマヤスアキ『アニメができるまで』より

【ユーリ】うおー !! かっこいー !!

【シンジ】アニメのキャラクターデザインって、線がビシッと決まっていて、絵柄がシンプルなんですね。これをお手本にすれば、僕もマネをして描けるかもしれません。

【監督】ほかに何か気づいたことはありませんか?

【ユーリ】えっと、キャラの正面だけじゃなくて、後ろから見た絵も描かれている?

【監督】そのとおり! マンガだとキャラクターの後ろ姿がどんな感じなのか、ハッキリ描かれていないこともあります。だから、それを想像で補うのもキャラデザ(略)の役割です。空を飛べるキャラならどんな姿勢で飛ぶのか、そのキャラを象徴するアクションもデザイン化しておく場合もありますね。