オナニーをするのに最適な環境とは

第4条 一人になれる空間を確保すべし

安心して射精するため、安心してオナニーするためには、一人になれる環境が必要です。

というのも、勃起している時の男性の精神は、攻撃的な興奮状態にあると思われがちですが、じつはその真逆だからです。勃起を得るためには、精神的にリラックスしていることが大前提です。

人間の自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の2種類があります。仕事中やハードな運動をしている時は、身体の活動を高めるために心拍数を増やしたり、血管を収縮させたりする交感神経が優位になります。逆に、リラックスしている時には、心拍数を抑制し、血管を拡張させる副交感神経が優位になります。

緊張感のある戦いの最中に勃起をしていては、邪魔になるばかりです。性的な興奮はしていても、精神的にはリラックスできる環境でないと、本来、勃起はできないのです。

特に、妄想しながらオナニーするためには、そのイメージの中に入り込める、他に気が散らない環境が必要です。

とはいえ、住宅事情の悪い日本の都市部では、子どもの一人部屋がないケースも多いことでしょう。その場合には、僕はお手洗いやお風呂場でのオナニーを勧めています。ほとんどの場合、カギがかかる空間でしょうから、誰も入ってこないという安心感が得られます。家族が寝静まった時に、布団の中でこっそりとする人も多いようです。

また、家族が出払ったタイミングがあれば、またとないチャンスです。他のことは後回しにして、オナニーをする機会にあてるとよいでしょう。

強く握りすぎると「腟内射精障害」になる恐れがある

第5条 勃起した陰茎を軽く握り、亀頭部を刺激するようにしごくべし

手でオナニーをする際には、「握る強さ」と「刺激をする場所」という2つのポイントを押さえましょう。標準的なオナニーのやり方としては、勃起した陰茎を軽く握り、亀頭部を刺激するように、上下に手を動かします。

この手を使ったオナニーは、先にお伝えした通り、自分一人でできるセックスの疑似体験です。実際のセックスでは、陰茎を腟内に挿入して前後に動かすことにより、陰茎全体が粘膜に包まれた形で刺激を受けます。つまり、陰茎を筒状のものに入れて、全体が包まれた形で刺激をされることで、実際のセックスの時の状態に近づけることができるわけです。

ここで重要なのが、あくまで握りは軽くすること。決して、強く握りすぎてはいけません。実際のセックスの時に腟から受ける刺激を超えるほど強く握ってしまうことがないようにしてください。強く握ってしごくのが癖になると、強い刺激でしか射精ができなくなってしまいます。

射精までに時間がかかり過ぎる「遅漏」や、重度の遅漏である「腟内ちつない射精障害」になってしまうと、実際のセックスでは感じない、射精できない、ということになります。現在、男性不妊外来の患者さんのうち、半数近くにこの腟内射精障害が見られます。