(PANA=写真)

ソニー社長兼CEO 平井一夫(ひらい・かずお)
1960年生まれ。国際基督教大学卒。84年CBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)に入社。ソニー執行役などを経て2011年に代表執行役副社長。12年4月1日付で社長に昇格。


 

ハワード・ストリンガー前会長兼社長(70歳)がソニーのトップに就いてから7年。テレビ事業は2012年3月期まで8期連続の営業赤字に陥り、連結純損失も4年続く見通しとなった今年2月。会長職にとどまる案は社外取締役から異論があがり経営の一線から退くことを余儀なくされた。米国でエンターテインメント事業を手掛けていたストリンガー氏は「ものづくりに関心がない」(ソニー関係者)との批判が多い。人員削減などのリストラを繰り返したが、ウォークマンやトリニトロンといったソニーらしいヒット商品を生み出すことはなかった。

代わって4月から社長に就任したのは平井一夫氏(51歳)。小中学生時代を米国で過ごした帰国子女で身長は180cm以上。ネーティブ並みの英語力で身ぶり手ぶりを交えたプレゼンテーションには定評がある。米国で音楽、ゲーム畑を歩み、1999年に38歳でゲーム子会社の米国法人社長となった。ストリンガー体制下では2009年に主要事業を任される「四銃士」の一人に選ばれる。ゲーム部門の赤字を5年ぶりに解消したことが最大の功績だ。昨年プレイステーションなどのネットワークサービスで最大7700万人の個人情報を流出させた問題では、謝罪会見で矢面に立ち、自ら盾となってストリンガー氏を守った(同氏は欠席)。

平井氏が直面する最大の経営課題はテレビ事業の立て直しだ。同事業を含めた家庭向け音響・映像機器は直轄とした。社長就任後の4月に新たな経営計画を発表し、グループ従業員の約1万人削減やテレビ事業を来年度に黒字化する目標などを打ち出した。だが12年3月期の連結純損失が4566億円に膨らんだこともあり株価は低迷したまま。事業構造を変えソニーらしさを取り戻せるか。平井氏は正念場を担う。

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