野球にめちゃくちゃストイックだが、夜遊び女遊びは…

「野球にめちゃくちゃストイック」と評されることもある坂本だが、これまでにもシーズン中の夜遊びが週刊誌にたびたび報じられてきた。何度もトラブルを起こしているのだから、巨人の“顔”という人気の上にあぐらをかいていると思われても仕方ないだろう。

野球というスポーツはMLBが世界最高峰だ。しかし、坂本はメジャー挑戦を避けてきた。

ベンチで試合を見る巨人の坂本勇人=2022年9月20日、東京ドーム
ベンチで試合を見る巨人の坂本勇人=2022年9月20日、東京ドーム(写真=時事通信フォト)

2016年、27歳のときに海外FA権を取得するも巨人に残留。2019年12月の契約更改交渉後の会見では、「ジャイアンツで最後までプレーしたい気持ちを持っています」と“生涯巨人”を宣言した一方で、同会見でメディアに対してこんなことも話している。

「メジャーに対しての憧れというのは持ってますけど、自信もないし、たぶん無理やなと思うので、僕は日本で頑張ります」

NPB時代にショートで4度のゴールデンクラブ賞を獲得した松井稼頭央がMLBに挑戦するも、2年目からはセカンドを守ることになった。それほどMLBのショートはレベルが高い。

坂本がMLBに挑戦しなかったのは個人の自由だが、NPBなら「これくらいで何とかなるでしょう」という甘い気持ちも心のどこかにあったのではないか。

MLBだろうがNPBだろうが、どこでやるかは本人の自由だ。しかし、プロ野球選手として、ひとりのアスリートとして、自分が立つステージでさらなる“高み”を目指すのが本当のプロフェッショナルだろう。

アスリートがいつまで現役生活を送れるかどうかは、日々の節制とコンディショニング維持にかかっている。トレーニングや試合後は速やかにアイシングなどのケアをして、すぐに食事をとるのがアスリートの基本。気分転換も必要だが、週刊誌に撮られるような行動は慎むべきであるのは言うまでもない。社会人として、ひとりの人間として最低限のモラルも守らなければならない。なにしろ、巨人には創設者の正力松太郎氏による「巨人軍は常に紳士たれ」という金言が残っているのだから。

聖人君子になれ、と言うつもりはない。だが、「大いなる力には、大いなる責任が伴う」という言葉があるように、野球人として一流になってなお努力を続けている姿勢を多くの野球少年少女に示してほしい。