ED(勃起障害)は増加傾向にあると推測されるうえ、必ずしも中高年だけの悩みではない。
さまざまなケースに接してきた昭和大学藤が丘病院泌尿器科准教授の佐々木春明先生が、EDの背景にある要因や、治療法などについて分かりやすく解説する。
ED患者の年齢分布には
2つのピークがある
「病院で診ているED(勃起障害)患者さんの年齢分布には、最初に30代後半から40代前半にかけて、次に50代後半から60代前半にかけてと、2つのピークがあります(図1参照)。前者については、社会の晩婚化傾向と無縁ではありません」
例えば妻の年齢を考慮し、結婚後は早めの出産を考える。そこで排卵日を計算し、より確実な妊娠を意識する。しかし佐々木春明先生によると、そこで夫はプレッシャーを感じ、心因性のEDに陥るというのだ。
「日本におけるEDの受診率はまだまだ低く、患者さん全体の9%程度にしかすぎないと推計されています」
より広い世代での発症が見られるようになってきたED。もちろん年齢、原因を問わず放置は禁物である。なかでも中高年の世代は、EDの陰にある重大な健康リスクを忘れてはならない。