製造拠点を海外へ移す日本企業が多いが、レノボ、HPは日本国内での生産に切り替えている。国内での製造には顧客価値を高められるという強みがある。日本企業はそれに気づいていないのではないか。
米沢事業所の優れた「クイック・レスポンス」力
中国のパソコンメーカー、レノボが日本の米沢工場でパソコンの生産をはじめるというニュースが報道された。レノボは、IBMのパソコン事業を買収した会社である。 昨年は、NECと合弁会社(レノボが過半数保有)を設立し、NECのパソコン事業を統合した。この統合はNECにとってもメリットがあった。レノボの部品調達力を利用して部品コストを下げることができるようになり、NECの国内でのシェアは上昇した。電子製品の場合、コストダウンの鍵は基幹部品のコストダウンである。台湾や中国のOEMメーカーやEMS(電子機器製造サービス)会社のコスト優位は、他社の生産を請け負い、生産台数を増やすことによって、部品サプライヤーに対するバーゲニング・パワーを高め、調達コストを下げることができる点にある。電子製品の製造原価に占める人件費は2割以下であり、人件費を下げるよりも部品調達コストを下げるほうが効果は大きい。
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