ピカサはウェブを利用したデジタル写真管理用の無料ソフトである。インストールすると、パソコンに保存済みの画像ファイルを自動的に検索して、管理用のライブラリーを作成する。画像が増えるとその都度ライブラリーに組み込んで時系列に並べていくので、手間をかけずに写真を管理できる。

増澤貞昌●シゲル代表取締役。京都大学卒業。リクルートのモバイルサイト制作に携わるなど多くの経験を積む。2006年シゲルを設立。デジタルコンテンツ白書執筆委員。仲間との写真の整理などにピカサをフル活用中。

「ピカサの特徴は、動作が速く、目的の写真をすぐに探せること。数多くの写真管理ソフトの中でもその速さは群を抜いています」と、コンテンツ企画運営会社の社長を務める増澤貞昌氏は強調する。以前は、愛用のデジタル一眼で撮影した写真の画像データをパソコンのフォルダに保存したあと、サイズを落とした画像データを新たに複製して管理・検索用に使っていたという。しかしピカサのおかげで、その煩雑な作業から一気に解放された。

ピカサはデータ管理のしかたも独特で、特定人物の顔だけを画像解析によって抽出し分類する機能がある。

「顔写真の中から特定の人物を抽出することができるので、大勢の人を撮影したスナップの中から、本人が写っている分だけ選別したいときに便利です。100%の精度ではありませんが、実用に堪える範囲ですね」

また「ウェブアルバム」という名前の通り、パソコン内で編集したデジタルアルバムを、そのままウェブ上にアップロードすることができる。ウェブアルバムは「公開」「非公開」「一部公開」など、公開のレベルが選択できるので、非公開にしてバックアップ代わりにしたり、IDを配布した知人だけが見られるように設定することもできる。大勢の人に見てもらいたい写真があれば、制限をかけずに公開してもよいだろう。

「友人と旅行に行ったときに撮影した写真は、昔はプリントして手配りしたものですよね。しかしピカサなら、アルバムにまとめてアップロードし、友人だけが見られるように設定して、あとは各自が欲しい写真を自由にダウンロードすればいい。写真の共有だけならピカサのソフトは不要ですし、ウィンドウズ、マックのいずれとも整合性がよいので、誰にとっても使いやすいと思います」

ほかにも画像編集やレタッチなど、便利な機能が多くついている。カラー写真を白黒やセピアトーンに変換したり、風景写真の天地左右を変化させることも、簡単な操作で行える。

「静止画像が次々と映し出されるスライドショーも、他のソフトより簡単に作れます。この機能で、友人の結婚式で流すスライドショーを作ってあげるのもいいですよ」

また、ピカサは写真以外の画像データでもファイル形式がJPEG、GIF、PNGなどであれば扱うことができる。この性質を利用した「裏ワザ」を増澤氏は仕事で活用しているという。

「見積書や請求書をスキャンして画像データにしておくのです。それをピカサ上で検索すると、紙のファイルをめくるより楽に探せる。非公開でウェブにのせておけば、自宅や出張先からでも見られて便利です。ほかにもネットサーフィンをしていて気になる情報が出てきたときも、キャプチャー画像にして保存しておいて、あとからピカサで探せばすぐ出てくるので情報が活用しやすくなります」と増澤氏。趣味に仕事に、すぐにでも活用できそうなアイデアだ。