街に外国人が戻ってきた──。日本政府観光局によると、震災後に激減した訪日外国人数は、昨年4月を底に徐々に回復。11月には中国人に限れば9万2300人となり、前年同月比35%増とプラスに転じた。彼らは日本製品の購入意欲が強く、化粧品・医薬品・トイレタリーに至っては全国籍平均の2倍近くになっている。

来店客の半数が中国人だというファンケル銀座スクエアでも昨年11月には客足が戻った。同店の遠藤慎一マネジャーは「2008年ぐらいから中国からの客が増え続け、ピーク時の10年度前半は毎月前年度比3割増。しかし、震災直後は銀座の街から彼らの姿が消えてしまった。それでも9カ月で回復したのは、ツアー客の当社化粧品への強いニーズがあるから」と見ている。

現地でのファンケルの出店数増加に伴ってブランドが浸透し、ツアーには富士山や秋葉原に並んで同社の旗艦店「銀座スクエア」が組み込まれる。来店者は富裕層が多く、売れ筋は無添加のスキンケア用品やコラーゲンパウダーなど。接客には中国人および会話に困らない日本人スタッフを揃えた。陳列でも日本語、英語に加えて中国語表記をするなどの工夫をしており「購買単価は日本人の3倍」(遠藤氏)という。

同社の事例からもわかるように、中国人の“MADE IN JAPAN志向”は根強い。震災後は低価格ツアーも登場し、富裕層のみならず一定の経済力がある人たちも日本に来るようになった。間もなく桜の季節を迎える。ここで観光を含めたニーズをとらえれば2年前の勢いに戻るのも早いかもしれない。