「あの人しか『いいとも』はできない」

「タモリさんは演芸場にも出てらっしゃらないし、そういう意味では畑違いのところがありますから。普通、前のコーナーがウケないとわれわれお笑い芸人は引きずるんですよ。次のコーナーに入った時も汗かいて、『あかんかったなー』って取り返そうとするんですけど、タモリさんは取り返そうとしない(笑)。あのドライさは凄い。あの人しか『いいとも』はできないと思います。あの切り替えの早さと引きずらない凄さ」と。

しかしさんまは「でも……俺は引きずりたい」と言い、こう続けた。「僕たちは引きずりたいし、背中にイヤな汗をかきたい。それで『なんとかしよう』と思って挽回したときの嬉しさもあるし」[3]

反省なんかしたらやっていけませんよ

だがタモリは「ダメ出し、やりませんね。もうダメ出ししたらキリがないですからね。終わったものは仕方がない」と言い[4]、反省をしないことが「いいとも」のような長寿番組を続ける秘訣ひけつだと、事あるごとに語っているのだ。

「反省なんかしません。反省なんかしたら毎日やっていけませんよ。悪いこといっぱいあるんだもの。俺が自分の番組一切見ないのも、悪いことばっか見えちゃうから。自分の番組見てたら自分大嫌いになりますよ。自分のこと大嫌いですから。番組中は自分のこと忘れて結構やってるから、後でああいうことやってる自分を見たらいやだもの」[5]

「僕はあれ毎日こうやって(自分の番組を)見てたら絶対反省して、こんなに長くは続けられないと思ってますよ」[6]「毎日反省してたら生きた心地がしない」[7]

夜の新宿ALTA前
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真面目な人は芸能界に向いていない

タモリは岡村隆史との対談で、「終わったものはしょうがないと思っていても、寝られなかったりする」という岡村に「真面目な人は苦しいと思うよ、この業界は」と語ったうえで、自身の「反省しない」スタンスを実践的に語っている。

「反省と一口に言っても、勝手に自分だけが悪いと思っている場合があるからね。そこでもう一回、その反省をもとにして、同じ状況に立って、こうすれば良かったと思ったことを再びやったときに、それがその場にそぐうかそぐわないかは、また疑問だからね。そんなことのために反省してもしょうがないものね」[8]

そしてタモリは、「俺なんか毎日が上出来だもん。今日も良かったって」と語るのだった。