「妻は皇族、夫と子どもは国民」の世帯が生まれる

ところが、このたび政府が皇族数確保策として国会に提案したプランは、次のような内容だった。

プラン①=未婚の女性皇族(内親王・女王)がご結婚後も皇族の身分を保持することとする。その一方で、ご結婚相手が国民だった場合、その男性は国民のままとする。お子様が生まれたら、そのお子様も国民とする(有識者会議報告書10ページ)。

このプランでは、妻が皇族で夫が国民、お子様も同じく国民という、近代の皇室制度が整って以降、初めて皇族と国民が“混在”する前代未聞(!)の世帯が出現することになる。もし天皇陛下のご長女、愛子内親王殿下がこの制度の下で結婚された場合、ご本人は皇族の身分のままながら、お相手は国民としての立場であり続けることになる。

書かれるべきことが書かれていない

プラン②=いわゆる旧宮家系子孫の国民男性が現在の宮家と養子縁組を行い、皇族の身分を新しく取得することを可能にする。ただし、その男性に皇位継承資格は認めない。
養子縁組の時点ですでに養子にお子様がいれば、そのお子様は国民のままとする(同報告書12ページ)。

養子となった男性のお子様の扱いに触れながら、驚いたことにその妻については何ら言及がない。国民のままなのか、皇族となるのか、全く不明。

養子縁組後にその妻から生まれたお子様についても言及なし。

さらに、縁組後に結婚した妻およびその妻との間に生まれたお子様についても、言及がない。

あえて想像をたくましくすれば、養子は男性でも皇位継承資格がないという特殊な扱いながら、それでも一応「皇族男子」というくくりになると、現行制度の適用を受けて縁組後に結婚した妻や、その妻との間のお子様は皇族となる可能性が考えられる(お子様が男子の場合でも、皇位継承資格を持つかどうかは不明)。

この辺り、新しい制度を責任を持って提案するなら必ず明記すべき事項が、なぜか軒並み空欄になっている。不真面目なのか、それとも国民の目を欺こうとしているのか。いずれにしても、憲法上すこぶる重い地位にある、天皇および皇室を巡る制度への取り組みにはあるまじき不誠実な態度として、厳しい批判を免れないだろう。

それはともかく、プラン②においても親子や兄弟姉妹の間で皇族と国民が混在する可能性を抱えている。

手をつないで一緒に歩く家族
写真=iStock.com/monzenmachi
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