オランダにはパブリックセクター発のフューチャーセンターも多い。写真はオランダ政府内の 複数の省が共同で創設したカントリーハウス。

今では、オランダのCountry House、デンマークのMindLab、プライベートセクターではイタリアのTelecom Italia Future Centerなど、欧州を中心に40以上のフューチャーセンターが立ち上がり、Future Center Allianceという創造的な相互学習コミュニティも生まれています。

フューチャーセンターの最初の発想が、「未来の知的資本を生み出す場」であったことは理解できたと思います。では、知的資本とは何を指しているのでしょうか? 知的資本の定義は、人的資本・構造的資本・関係性資本の3つから成ると言われています。つまり、未来の人的資本は「人の成長」であり、未来の構造的資本は「ビジネスモデルなどのアイディアの創出」、そして未来の関係性資本は「新しい人と人とのつながり」を生み出すことになります。

つまり、「未来の知的資本」を生み出すフューチャーセンターは、人が成長し、アイディアが創出され、人のつながりが生まれる場なのです。

よりよい未来を創り出すために、人が集まり言葉を交わし、ともに成長する場が、私たちの社会には必要です。もちろん、企業などの組織にも必要です。私たちは未来について、答えを知っている訳ではありません。予測不可能で不確実な未来に対して、私たちは「未来の知的資本」である「人の成長」「アイディア創出」「人のつながり」を武器に、立ち向かっていくしかありません。

フューチャーセンターは、未来の不確実性に真っ向から立ち向かうための装置にほかならないのです。