週刊誌の編集部はどこも青ざめたのではないか

秋篠宮眞子さんが「複雑性PTSD」だったと聞いて、週刊誌の編集部はどこも青ざめたのではないか。

「秋季皇霊祭・秋季神殿祭の儀」に参列するため、皇居に入られる秋篠宮家の長女眞子さま=2021年9月23日、皇居・半蔵門[代表撮影]
写真=時事通信フォト
「秋季皇霊祭・秋季神殿祭の儀」に参列するため、皇居に入られる秋篠宮家の長女眞子さま=2021年9月23日、皇居・半蔵門[代表撮影]

10月1日に開かれた結婚発表会見では、加地隆治皇嗣職大夫とともに、宮内庁の永井良三皇室医務主官と精神科医の秋山剛医師が同席した。

結婚が眞子さんの誕生日ではなく、26日の大安になった。儀式は一切行わない、一時金も支給しないのは想定内だったが、その後、加地皇嗣職大夫から衝撃的な“事実”が発表されたのである。

眞子さんが「複雑性PTSD(心的外傷後ストレス障害)」と診断されていたと明かし、眞子さんが一時金の受け取りを固辞したのも、結婚後にも今のような批判や誹謗中傷が続くならば、精神的な負担を感じてしまうからだと語ったのである。

複雑性PTSDは、「長期的に反復するトラウマを体験し、感情が不安定になるなどの持続的な症状があることが特徴」(産経新聞10月2日付)で、眞子さんは2018年頃から、「自身や小室圭さん、それぞれの家族への誹謗中傷を正すことが『困難であるという無力感』を感じ、『結婚後、平穏で幸福な生活を送りたいという願いが、不可能となってしまう恐怖』を感じるようになられたという」(同)

公表することで報道各社の「誹謗中傷」に猛省を促した

18年といえば、小室圭の母親と元婚約者の間の金銭トラブル報道が過熱していた頃だ。

加地皇嗣職大夫は、眞子さんが「これ以上この状況が続くことは耐えられないと考えている」とし、「大変心が痛む。お支えが十分であったのかと、申し訳なく思う」と声を詰まらせたという。

婚約延期から4年近くが経つ。ときには物憂い表情を見せることはあったが、気丈に振る舞い、小室圭との結婚の意志を貫いてきた眞子さんが、たった一人で病と闘っていたとは、想像もしていなかった。

加地皇嗣職大夫の口からはっきりと、これまでの週刊誌を中心とする報道は「誹謗中傷」であるという厳しい言葉が出たのである。これは眞子さんの意思であることはもちろん、秋篠宮も了承していたことは間違いない。

これまで耐えに耐え抜いてきた父と娘が、正式な結婚発表という場で、隠しておきたい病を公表することで、報道する人間たちに猛省を促した。私にはそう思えた。

失語症になってしまった美智子さま

これを聞いて、私は美智子皇后(当時)バッシングのことを思い出していた。

1993年、女性週刊誌を中心に美智子皇后バッシングが巻き起こった。嫁姑問題から美智子さん流の開かれた皇室のやり方に、守旧派などからの批判を中心とした報道合戦が起きたのである。

美智子さんは週刊誌を読むことが好きだったといわれていたから、いくつかの記事に目を通したのであろう。