仕事のペースを上げるには、どうすればいいか。コンサルタントの上岡正明さんは「失敗を怖がってはいけない。失敗を重ねるほど、成功したい欲求が高まってドーパミンが分泌されるので、仕事が楽しくなる」という――。

※本稿は、上岡正明『自分のやりたいことを全部最速でかなえるメソッド 高速仕事術』(アスコム)の一部を再編集したものです。

アンティークのタイプライター
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AD時代の「アウトプット」の思い出

私自身が初めて高速仕事術をしたときのエピソードを紹介します。

そのとき私は19歳でした。私は幼い頃から「作家になりたい」という漠然とした夢を抱き続けていました。当時、憧れの作家の経歴をみると、秋元あきもとやすし氏をはじめ「放送作家」をしている人が少なくなく、作家への足掛かりとして放送作家になることに決めました。放送作家へとフォーカスしたのです。

何もわからないまま、私は大学に通いながら、テレビ番組の制作会社に出入りするようになりました。何の実績もコネもない私がいきなり放送作家になれるわけもなく、初めのうちは当時一世を風靡ふうびしていた「天才・たけしの元気が出るテレビ‼」のAD(アシスタントディレクター)としてハードな毎日を送っていました。

テレビ業界に入って数カ月後、私は放送作家になるためのアウトプットを何も起こせていない自分に焦りを感じていました。行動を起こさなければならない、そのことだけはわかっていました。

そこで、ある日の番組終了後の深夜。いつもなら疲れ切って、制作室で仮眠をとるのが常でしたが、私は誰に習うこともなく台本を書き始めました。ついにアウトプットを始めたのです。しかし、書き方を教えてくれる人などどこにもおらず、どうやって書けばいいのかわからず、すぐに壁にぶつかってしまいました。

そのとき、私はテレビ局のゴミ箱に捨てられているたくさんの台本を片っ端から読みあさりました。「なるほど、こう書けばいいのか!」と、乾いたスポンジが水をどんどん吸うようにノウハウを次々と吸収(インプット)していきました。