どうしてここまで怖い病気として扱うのか

さらに今回の緊急事態宣言で犯罪的だと感じるのは、テレビ局の報道である。

報道は本来、政権側の意図に即した意見だけでなく、感染拡大防止措置に批判的な意見も提示しなければ、国民の知る権利に応えられないはずだ。しかし政権に具申する立場の医師とは、異なる医師の意見を徹底的に排除している。

しかもテレビ番組では街のルポというかたちを取りながら、リポーターが「街に人があふれています」「こんな夜遅い時間でもまだ営業している店があります」「路上飲みをしている若者がいます」と自粛ポリスみたいなことをやっている。この国は本当に怖いと思う。

テレビの報道は感染者の数ばかり取り上げるけれど、それはPCR検査で陽性反応が出た人の数。その陽性者も8割ぐらいは無症状。しかもPCR検査を受けていなくて陽性の人もいるだろうから、ほとんどが無症状のはずである。

会話厳禁の文字
撮影=プレジデントオンライン編集部

しかしテレビは、後遺症をもたらすとか、若者も重症化するとか統計データの外れ値みたいな例外的な事実を大きく取り上げて不安を煽っている。どうしてここまで怖い病気として扱わなくてはいけないのだろうか。

煽られた不安感情は、人間を愚かにする

健康の問題では、とかく報道は不安を煽るきらいがある。

遺伝子組み換えや添加物などの食品の問題もよく取り上げられるが、どんなものにもゼロリスクはない。ゼロにしようという発想自身が心理学でいうところの「強迫」につながる。

私はタバコを吸わないが、喫煙者は喫煙後も体から有害物質を出し続けているという三次喫煙リスクが報道されるのを見たときに、科学的根拠がさっぱりわからなかった。タバコを目の敵にしている人の話を聞いていると、世の中に正解があると信じている人たちに見えるが、それはもう宗教だ。実験してみなければわからないというのが科学であり、やる前から答えが決まっているのが宗教だからだ。

そうした煽られた不安感情は、ものすごく人間を愚かにする。感情が暴走すると、ファクト、統計の数字が見えなくなり判断を狂わせる。

臨時休業のお知らせ
撮影=プレジデントオンライン編集部

だたし誤解してほしくないが、コロナを怖がらなくていいと言っているわけではない。私は今のコロナの騒ぎ方は異常と思っていても、ワクチンは受けるつもりだ。毎年インフルエンザのワクチンを受けているように。

コロナを極端に怖がって、ありとあらゆる生活を我慢すればメンタルがおかしくなる。私のように「インフルエンザ程度に怖がる」ことをお勧めしたい。

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