仕事のメールを分かりやすく、上手な文章で書くにはどうしたらいいか。文章術のベストセラーを100冊読んだというライターの藤吉豊さん、小川真理子さんは「メールの内容が相手に理解されない原因の多くは、書いた文章をきちんと推敲していないことにある」と指摘する――。
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写真=iStock.com/golubovy
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あなたのメール、ちゃんと伝わっていますか?

書き手はきちんと伝えたつもりなのに、読み手に理解されない。読み手からの印象が悪い。こういうことが、ビジネスでも、日常生活でも頻繁に起こっています。

その原因の多くは、書いた文章をきちんと「見直し」(推敲)していないことです。

本稿では、実際のメールやプレゼン資料を題材に、多くの人がつい、してしまいがちな文章の残念な失敗と、改善方法を見ていきます。

まずは、残念なビジネスメールの一例をご紹介します。

Before
《件名》与算資料の件
《差出人》宮本沙織
《宛先》小川真理子
☆☆株式会社小川様
お世話になっております。ABC商事の宮本です。先日の予算ですが、さきほどコンセンサスとれクラウドにUPしました
記載しているのが以前お話しした数値化の意味です。共有のためにお送りしますので返信不要です。
宮本

「正確さ」こそ、文章の基本である

Beforeの文面は、時間がない中で書かれたものなのか、内容があいまいです。「読み手」に伝えるためには、次のような書き換え案が必要です。

●文章も「見た目」が大事/段落はこまめに変える
→改行や段落を増やし、読みやすくする。

●「正確さ」こそ、文章の基本
→件名の誤字を修正する。何の予算なのか明確にする。

2つのポイントを使って、先ほどのメールを以下のように書き直してみました。

After
《件名》予算資料の件
《差出人》宮本沙織
《宛先》小川真理子
☆☆株式会社小川様
お世話になっております。ABC商事の宮本です。
3月18日に口頭でご相談したA案件の予算について、弊社社内で合意が取れました。その資料を、情報共有のため、下記サーバーにアップしましたので、ご確認ください。
https:// ××× . △△△
先日説明不足だった「数値化」の意味も追記しております。なお、本メールは共有のためにお送りしましたので返信不要です。
宮本