スマートフォンで暇つぶしをする人生は幸せといえるのか。そんな疑問に応えるエッセー集『1cmダイビング 自分だけの小さな幸せの見つけ方』(宝島社)が話題だ。この本は、韓国の男性デュオ「東方神起」のユンホさんが勧めたことから、韓国では17万部のベストセラーになっている。一体どんな内容なのか。一部を紹介しよう――。

※本稿は、テス、ムンジョン、岡崎暢子訳『1cmダイビング 自分だけの小さな幸せの見つけ方』(宝島社)の一部を再編集したものです。

ソファーでスマホを眺める女性
写真=iStock.com/damircudic
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「1cmダイビング」とは?

このプロジェクトは2019年8月9日、各自それぞれの問題に苦しんでいた僕ら2人(1号と2号)が始めたものであり、目指すところは「日常生活に影響を及ぼさない程度の小さな幸せを探す」――という、些細なものだった。そこまで大それたことでもないのに、かっこだけはつけたかった僕らは、このプロジェクトに名前を付けることにした。

「1cmダイビング」

最初の1カ月間は好きなことをやりさえすれば、答えが出ると思っていた。しかし、僕らは初日から壁にぶち当たってしまった。「ぼ、僕が好きなことってなんだったっけ……?」。あれこれ試してみるには資金不足だった。困り果ててネットの掲示板に打ち込んでみたところ、こんな答えが書き込まれた。「スマホよりおもしろいものがほかにあるのか?」

本稿には、ダイビングの話は一切登場しない。登場するのは、些細な幸せを探すためにかっこ悪くもがき続ける話だけだ。だが僕らは、読んでくれたアナタ――そう、3号にも、同様のプロセスが必要だと信じている。このプロジェクトに参加するためのガイドを記しておこう。

「1cm自由になる」3つのステップ

1.1cmダイビングとは

実際に水面めがけて飛び込むダイビング(高飛び込み)のことではなく、いわゆる比喩表現だ。わかりやすく説明するならば、こういうこと。「現実からほんの1cm自由になるくらいの、小さな幸せ探しプロジェクト」

2.準備するもの

1cmのダイビングだって準備は必要だ。まず、自分自身がどういう人間なのかを知っておかなければならない。楽しいことをする前に、どんなときに自分が楽しいと感じるのかを知らないと基準がわからないからである。

3.期待される効果

このプロジェクトがアナタの人生に大きな変化をもたらすことは、たぶん、ないだろう。ごくごくわずかなスタートだからだ。しかし、「自分の人生に楽しいことなんて1つもない」と思い込んでいた僕らでさえ変化があったことを鑑みると、きっとアナタも変われるんじゃないかと思う。