かつて2万人超だった従業員数は800人以下に

無線通信・応用機器を製造・販売するユニデンホールディングスが10日、株主総会の招集通知を株主に発送した。今年2月に不適切な売上計上が見つかったとして、決算発表を再三再四延期した揚げ句、6月の株主総会も開けずにいたが、決算・監査報告を後日に持ち越す「継続会」制度を用いて総会を開くという。

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長期にわたって株価が低迷しているうえ、創業家の恣意的な経営に株主の反発も高まっているだけに、総会では藤本秀朗会長以下、現経営陣の選任にどれだけ支持が集まるかが焦点になる。

ユニデンHDは北米やオーストラリアで無線機やコードレスフォンのメーカーとして高い知名度を保ってきたが、インターネットの普及に伴ってエレクトロニクス事業全般が衰退。2006年3月期には857億円を計上した売上高は、2019年3月期には212億円にまで転がり落ちた。かつては2万人を超えた従業員数も2019年3月期末時点で800人を割り込んでいる。

水増し収益をもとに2億円超の会長報酬が決められている

ユニデンHDが収益規模や存在感をしぼませながら生き永らえているのは、銀座や八丁堀などに抱える優良不動産のおかげだ。「無線通信機器も作る不動産屋」に転じたことで命脈を保っている。

しかし2018年4月から2019年12月までの期間に、米国と豪州子会社で売上計上や売上計上時期の不適切な会計処理が見つかり、今年1月に海外の法律事務所に調査を依頼。その結果、米国現地法人社長などの関与が判明した。報告書には問題点や責任は「ユニデンHD本社にある」と明記されているが、その責任を誰が取ったのか一切開示がない。

こうした報告書では公正を期すために、いつ、どの役職の誰に、どんな内容をどれくらいヒアリングしたのかを明記するものだが、ユニデンHDが和訳、公表した報告書からはそうした点がすっぽり抜け落ちており、責任者が誰なのか判然としないのも問題だろう。

不適切な会計処理によって水増し計上された売上高や利益は比較的小さく、ユニデンHDの存続に影響を及ぼすほどのものではない。しかし水増しした収益をもとに2億円を超える藤本会長の役員報酬が決められているのだから、株主は納得していない。