英語を身に付けるために効果的な勉強法は何か。ベストセラー『英単語の語源図鑑』著者の清水建二氏は、小学校で最下位クラスの劣等生だったが、英語を1年勉強して中学1年で学年トップになれたという。イーオンの三宅義和社長が聞いた――。(第3回/全3回)
英語教材開発者の清水建二氏
撮影=原 貴彦
英語教材開発者の清水建二氏

「家族5人三畳一間」極貧生活で劣等生だった少年時代

【三宅義和(イーオン社長)】清水先生の英語との出会いは、やはり中学校の授業だったのでしょうか?

【清水建二(KEN’S ENGLISH INSTITUTE代表、英語教材開発者)】私の場合、みんなより1年だけ早かったのです。私は東京の浅草出身で、三人兄姉の末っ子。父親は儲からない漆職人で、浅草の観音様の裏に仕事場を兼ねた借家を借り、家族5人三畳一間で寝起きを共にするような極貧生活をしていました。

【三宅】そうですか。

【清水】当時の私はとにかく勉強が大嫌いでした。家が落ち着いて勉強をするような環境ではなかったということもあるのですが、それを理由にして勉強はまったくやらず、クラス40人中、成績は常に35番から39番くらいだったのです。

【三宅】それでもビリにはならなかった。

【清水】一人、断トツでできない子が同じクラスにいたからです。しかし、6年生になってその子が転校してしまい、「いよいよ俺もビリになるのか」と心配していたとき、担任の先生に呼び出されました。すると、これまで40番だった子は学力不振が原因で、いまでいう特別支援の学校に転校になったというのです。そして神妙な面持ちで「お前もこのままだと、そっちの学校に転校させることになるから頑張れ」と言われたのです。