「再びにぎわう風景の方に違和感を覚えてしまうのでは」

5月20日からの全米で経済活動が再開されたのに伴い、H&Mやアップルストアなどチェーン店は入場時の検温や人数制限を実施しながら営業している。一方、アラモアナセンターやワイキキ・ビーチ・ウォークなどはすぐには再開されず、エスカレーターは停止し、観光客目当てのブランド店は多くの店も閉まったままである。観光依存の島の現状はいまだ再開と呼ぶには程遠い現状だ。

「ロックダウンの間も海でのサーフィンは禁止されなかったので、それまでと同じように夕方2~3時間は波乗りしながら、今のハワイの姿を発信するために街中を撮影する活動をしていました。大型ショッピング・センターやワイキキ・トロリーなど観光客でにぎわっていた中心街から、どこもかしこも人がいなくなった現実を目の当たりにすると、この先いつか観光客が戻ってきた時に、再びにぎわう風景の方に非現実的な違和感を覚えてしまうのでは? と思ってしまうほど、ハワイの日常は一変しました」(Imakenさん)

5月16日からはビーチでの滞在が解禁され、人の賑わいが少しずつ戻ってきた。飲食店は6月5日からはソーシャル・ディスタンスの実施を条件に店内営業が解禁される。一部店舗が営業再開したロイヤル・ハワイアン・センターは、館内衛生や従業員健康チェックなどの対策を訪問客に説明する英日2カ国語掲示板を設置し、Imakenさんは、「これは素晴らしいです」とレポートした。このように少しずつ平常化に向かうハワイを、渡航が解禁されてアメリカ本土や日本からの観光客が再び戻るまで、映像で伝え続けていきたいという。

マスク着用の義務化で発砲事件も

新型コロナウイルスの感染者数が170万人、死者数も10万人を超え、共に世界最多の感染例に苦しむ中も、アメリカでは5月20日から50の州すべてで経済活動が再開された。多くの商業施設やレストランではマスクを着用しない客に入店を断る店員と、「憲法の自由に反する」「マスクの強要は共産主義だ」などと抵抗する市民の衝突が各地で相次ぎ、発砲により店員や警備員が死傷する事件も起こっている。

アメリカで最も多くの観光客を集める都市はどこかご存じだろうか? ニューヨークでもラスベガスでもなく、「ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート」「ユニバーサル・スタジオ」「レゴランド」など大小60のテーマパークが集まる、フロリダ州のオーランドだ。この街で主力の観光ビジネスでも、4月15日までの3週間に73%の従業員が解雇、4月中旬のホテル稼働率は13%(昨年同期は84%)となった。