変額終身で「500万円×妻子の数」が節税できる!

高齢になるほど保険の加入は難しくなってくる。でも、相続対策が気になって仕方がない高齢者に、ベストマッチの保険があった。

アパート3軒に加えて、貸し駐車場が2カ所。自宅はどうかというと一戸建てで、敷地は優に200坪はある。もちろん年金をもらっているものの、家賃収入などで毎月200万円前後のキャッシュが得られるので、孫たちのお小遣いに回している。

それだけ懐に余裕があるにもかかわらず、決して贅沢はしない。外食はめったにせず、3度の食事の支度に老妻が台所に立つ。最近その妻がスーパーの特売チラシを見ながら、「何でも値上がりして本当に困るわ」と独り言をいっていることが増えた。贅沢らしい贅沢といえば、夫婦揃って国内旅行に年に数回行くことくらいのものだ。

ことほどさように、本当の金持ちほどお金をムダにはしない。映画「マルサの女」で脱税を摘発された金持ちを演じた山崎努が、コップから溢れた水を舐めるように楽しむのが、お金を貯めるコツだと話していた。世の金持ちたちは賢い節税に努めながら、実生活でそれを実践しているのだ。

そんなに財産のある60代なら、病気など万が一のことがあっても、お金の面で苦労することはない。だから金持ちシニアは保険に対して無頓着な人が多い。しかし、節税、それも一番気がかりな相続対策に保険が役立つといったらどうだろう。「えっ、何?」といって、身を乗り出してくる人が多いのではないだろうか。

相続人が妻と子2人なら、受け取る保険金は1500万円が非課税に
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相続人が妻と子2人なら、受け取る保険金は1500万円が非課税に

図にあるように相続税は、正味の遺産額から基礎控除を引いた課税遺産総額に対して課せられる。妻と子供2人がのこされて法定相続人が3人なら、基礎控除は8000万円。正味の遺産額がこの金額以下だと、相続税はゼロだ。しかし、1人の相続人が相続する課税遺産の額(課税標準)が3億円を超えると、税率は50%に跳ね上がる。金持ちの“贅沢な悩み”とはいえ、少しでも多くのこしたいのが人情だろう。

そんな悩みを軽減してくれる魔法の保険の1つが変額終身保険である。株式や債券などの有価証券を中心にして運用され、死亡保険金は運用の実績に基づいて増減する。ただし、1000万円、1500万円など事前に決まっている保険金の水準を下回ることはない。つまり“元本保証”ならぬ“保険金保証”の保険なのだ。

そして、なんといってもこの保険のミソは、死亡保険金として遺族がもらうと、「500万円×法定相続人の数」という相続税の非課税枠が活用できることである。妻と子供2人ならば、1500万円の死亡保険金をこの変額終身保険でかけておけば、まるまる遺族にのこしておける。

ソニー生命の3年全期前納の変額終身保険で死亡保険金額が1500万円(60歳男性)の場合、保険料は998万437円。加入してすぐに死亡しても、その約束された保険金が支払われる。とても分のいい保険のような気がしてくる。しかし、そうは問屋がおろさない。これは普通の死亡保険だから、加入に当たって告知や検診が求められる。60代で健康に不安のある人の場合、加入を断られる可能性もある。

でも、そこで諦めてしまうのはまだ早い。健康に自信のない金持ちシニアのために変額個人年金がある。こちらも告知する必要があるものの、その内容は健康状態を尋ねるものではなく、職業を聞いてくるだけ。引退して悠々自適な金持ちシニアなら「年金生活者」と書いておけばよい。会社によっても違ってくるが、なかには80歳まで加入OKのところもある。

加入の際のポイントは年金支給開始年齢をできるだけ高齢に延ばすこと。たとえば90歳まで延ばし、その間に死亡すれば、事前に約束された死亡給付金が遺族に入り、相続税の非課税枠が利用できる。もし、本人の目論見とは異なり、90歳以上生きてしまった場合は、一括受け取りや確定年金などの形となって相続財産となる。ただし、アイエヌジー生命の「セレクトII」(図参照)は、90歳以降に終身死亡保障へ切り替えができ、相続対策に活用できる。

また、保険の加入に際して、被保険者が自ら書類にサインをしなくてはいけないことも覚えておいてほしい。認知症になったりして契約事ができなくなると、加入できない。節税のチャンスを逃さないためには、思い立ったときにすぐ腰をあげることも大切だ。