「収入や年齢による医療差別」が横行している

人間はパニックになった時、その本性が現れる。

病院で患者を搬送する救急救命士
写真=AFP/時事通信フォト
病院で患者を搬送する救急救命士=2020年04月06日、アメリカ・ニューヨーク

新型コロナウイルス感染拡大は、この人間というどうしようもない生き物の化けの皮を次々剥いでいるようである。

中でも、「収入や年齢による医療差別」が横行しているのに、メディア、特にこの国のメディアが鈍感なのは、今更だが、腹が立ってならない。

私は、この問題について、感染拡大当初から警鐘を鳴らしてきた。それは私自身が高齢者で、多くの生活習慣病を抱えているからでもある。

数週間前、右耳の下から肩にかけて帯状疱疹ができた。医者に聞くと、50歳以上で、ストレスや過労が原因で免疫が落ちると、かかりやすいという。

幸い2週間ほどで治ったが、こんな体調の時はコロナに感染しやすいと、普段はほぼ毎日“出勤”しているオフィスへ行くのを自粛した。

つれづれなるまま朝のテレビのワイドショーを見ていると、当然ながら、コロナ一色である。

専門家なる者が出て、専門的知識とは思えない極論や暴論を恥ずかしげもなく吐き散らしている。司会者は、今こそ国を挙げて、この国難をどう乗り切るのか、一致団結せよと、眉根を寄せて視聴者に呼びかける。

まるで戦時中のスローガン「欲しがりません勝つまでは」を彷彿とさせるようである。