「学校に行かなければ、勉強はできない」と思い込んではいないだろうか。一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏は「私は経済学も、英語も、独学で身につけた。独学は学校教育よりはるかに効率的。自宅で過ごすことが多くなった今こそ、独学を始めてほしい」という——。
10代の女の子がオンラインスクールの授業を受ける
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コロナ後の世界でのあなたの地位を決めるのは、「勉強」

新型コロナウイルスは、世界に大きな影響を与えています。いつになって終息するか見通しがつきませんが、必ずいつかは終息します。そして、「コロナ後」の世界は、これまでのものとは同じものではありません。さまざまなことが、大きく変わるでしょう。

コロナを恐れ、それに正しく対処することは必要ですが、ただ恐れているだけでなく、この期間に自らに投資し、知識を深め、能力を高めるべきです。

コロナ後の世界であなたがどのような地位を占めるかは、この期間にあなたが何を学ぶかによって決まるでしょう。

独学はもともと学校教育より優れている

ところが、コロナ感染の拡大を抑えるため、小中高校の多くも、大学も休んでいます。この期間に勉強する方法は、独学しかありません。

ただし、独学はコロナで学校が閉鎖されたためにやむを得ずにするものではありません。もともと、独学は学校教育よりも優れた面があるのです。

小中高校までの教育については、教えるべき内容は、誰にとってもあまり違いません。したがって、「学校に集まって、先生から授業を受ける」という方式が最も望ましいのです。

しかも、この年齢層の子供や若者にとっては、集団生活と社会生活の訓練をするという意味においても、学校に集まることの効果が大きいのです。