自分がどんな人脈を持っているか

ためしに自分がどんな人脈を持っているかを書き出してみましょう。おそらくほとんどは、同性、同年齢、同世代、同職種、同趣味というように、自分と重なる部分が大きい人とばかり付き合っているのではないでしょうか。

たしかに、こういうグループにいれば居心地はいいに決まっています。けれども、いざ新しいことを始めようと思ったときには、残念ながらこの手の人たちはあまり役には立ちません。むしろ、そんなことはやめておけと、足を引っ張ってくる確率のほうがはるかに高いと思います。

だから50代になったら、異性、異年齢、異世代、異職種、異趣味の人たちと積極的に交流することが大事なのです。そうして、そこで新たな人脈をつくるのです。彼らはこれまであなたが知らなかった世界の知識や情報を持っています。それがあなたの人生に新鮮な刺激をもたらしてくれるのです。

私自身が最近経験したことをお話ししましょう。付き合いのある葬儀屋の奥さんから、こんな話を聞きました。

西日本のある地域には、大きな葬儀があると、擦り切れた喪服を身にまといカラの香典袋持参で葬儀にこっそり参列する、通称「お供養もらい」という人たちがいるのだそうです。もちろん故人と関係があるわけではありません。その地域では香典のお返しに商品券を出す風習があり、お供養もらいの目当てはその商品券です。

地域の葬儀業界の人たちは彼らの存在に気が付いているのですが、見て見ぬふりをしているそうです。広い意味ではそれも故人の供養になるという考え方があるのかもしれません。

ただ、そのお供養もらいが近年はめっきり少なくなったといいます。いまの日本では亡くなる人が多く、葬式そのものも多いのですが、家族葬などコンパクトな規模の葬式が増え、それだと、どこの誰ともわからないお供養もらいは参列しにくいのです。

私は表にも裏にも多種多様な人脈を築いているので、こういうおもしろい話をたくさん聞くことができ、仕事の発想もどんどん広がるのです。

とはいえ、実際にはどうやって「異」の人脈をつくるべきか、わからない人が多いと思います。それなりのおカネを使わなくてはいけないのではないか、と心配する人もいるでしょう。

たとえば私の会社(きずな出版)でも定期的に読書会を開催していますが、そういうところに参加してみてはどうでしょうか。読書会とは限らず、「日本酒のたしなみ方」のようなテーマの軽いセミナーはたくさんあります。