「国会も間もなく終わりますが解散はされるんですか」

最後の質問者、片山氏が登壇した時は、委員会室も雑談する議員が多く、空気は弛緩していた。片山氏は共同代表とはいえ、維新全体をグリップしているわけではない。注目度は明らかに低い。

だが片山氏が質問を始めると、ざわめきは止まった。

「ほかの党首が言いたくても言えないのか、いいたくないのか。国会も間もなく終わりますが解散はされるんですか、されないんですか」

誰もが期待していた質問を冒頭に振った片山氏。委員会室にどよめきが起きた。安倍氏は、笑顔を見せながらマイクの前に立ち「大変重要な質問でございますが、解散という言葉は私の頭の片隅にはございません」「片隅にもないと言った方がいいのかもしれません」と答えた。

片山氏が引き出した答弁は、マスコミでも大きく報じられた。片山氏は「男を上げた」格好になっている。

自民幹部「野党がいかに解散を恐れているか分かった」

片山氏が男を上げたという評価には異論がある。片山氏は他の3野党党首とは「身分」が違う。3人は衆院議員。衆院解散となれば自身のバッジも外さなければならない。一方、片山氏は参院議員。しかも非改選。解散になってもならなくても、自身には影響もない気楽な立場から、安倍氏への直球質問となったのだろうか。

いずれにしても党首討論で野党の腰が引けていることが完全に露呈してしまったのは事実。参院選では野党結集して安倍1強を崩そうとしているが、出ばなをくじかれた印象は否めない。

自民党幹部たちは口々に「野党がいかに解散を恐れているか分かった」と上機嫌で語り合う。