人気の派遣サービス「お坊さん便」
誰しもが避けられない人生の終焉……。ついのすみかをどこにするのか。死後のこととはいえ、後悔はしたくない。そんな思いから今、葬儀の形や墓をめぐる環境が大きく変わってきている。かつての葬儀といえば、華美な装飾の祭壇をしつらえ、100人を超える弔問客で故人を弔うのが一般的だった。
しかしなかなか景気が回復しない経済環境、親族や地域社会との絆の希薄化、信仰心の薄れなどで、最近は家族葬や直葬といった「小さい葬儀」が主流になりつつある。特に日常でお寺との交流をもたない人が多く、お葬式のときにだけお願いをする“葬式仏教”がほとんどだ。
最近のお寺とのつながりを象徴する1つが、インターネットのアマゾンサイト内で一周忌などの主要法要を3万5000円、一般の葬儀を16万円、戒名の授与2万円と、葬儀の注文や僧侶の派遣を定額で受け付ける「お坊さん便」が人気になっていることだろう。