掟破り トランプ大統領に定石は通じない

米中による貿易摩擦の行方の予測がつかない。トランプ政権は鉄鋼とアルミニウムに追加関税を導入したのに続き、知的財産権侵害への制裁としてハイテク分野を標的に高関税の対象となる品目の原案を示した。これに対し、中国は大豆や自動車などに報復関税を課すと表明。日本への飛び火も懸念されるが、第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミストは、日本は米国にとって中国、メキシコに続く貿易赤字国で貿易赤字全体の8.6%を占めるだけに楽観は禁物だと指摘する。

「トランプ大統領は掟破りの手法を繰り返しており、定石が通じません。11月の中間選挙までは自動車を中心にどんな手を打ってきてもおかしくないでしょう。80年代の日米貿易摩擦では、スーパー301条の発動後に円高誘導を仕掛け、さらに経済構造協議に持ち込んで日本に圧力を加えるという手法が用いられました。さすがに円高誘導を仕掛ける可能性は低いでしょうが、警戒が必要です」

日本にはどんな備えが必要か。

「決してトランプ大統領に言質を取られることのないように気をつけ、麻生太郎財務大臣とペンス副大統領との日米経済対話の枠組みを堅持することが欠かせません」(熊野氏)

振り回されないようにせねば。