中古マンションの在庫が増えてきているという。東日本不動産流通機構によると、2017年10月の首都圏の中古マンションの在庫は、4万4619件。15年6月から29カ月連続で前年同月を上回ったことになる。

この背景にはマンション・リノベーションの急速な普及があると指摘するのが、不動産コンサルティングのコア・リサーチ代表取締役の大竹桂一氏と取締役の大森裕次氏だ。

「都心部での再開発が進んだ結果、新規にマンションを建設する土地の確保が困難になっており、デベロッパーが続々とリノベーションに参入しているのです。新築マンション信仰が薄れてきていることも、この流れに拍車をかけていると言えます」

ただ、在庫は増えても価格が下がらず、首都圏の中古マンションの10月の成約件数は前月比マイナス7.1%と伸び悩んでいる。

「新築マンションは、効率よく売るためにコンパクトな物件が中心で、ファミリー向けが少ないのです。このため70平米以上を中心に中古マンションの価格が下がらない状況となっているのです。購入にあたっては、リフォームの見かけの仕上がりだけでなく、価格が妥当であるかしっかり判断できるだけの知識を持たなければなりません」(大森氏)

高値だけに賢く買わなくては。

(図版作成=大橋昭一)
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