小池新党の大きな欠点は「大衆迎合」にある

9月27日付の読売社説は、書き出しで「衆院解散にぎりぎり間に合わせた新党旗揚げである。急造であっても、説得力ある政策をきちんと示すことが重要だ」と指摘した後、小池新党の政策を批判していく。この批判は理解できる。以下、読売社説の政策批判をざっと挙げてみよう。

「問題なのは、希望の党の政策決定過程が不透明なうえ、大衆迎合的な政策が目立つことだ」
「小池氏は『原発ゼロを目指す』と明言した。安全性の確認された原発の再稼働を進める安倍政権への対立軸を示す狙いだろう」
「だが、電力の安定供給には原発が欠かせない。より現実的なエネルギー政策を示すべきだ」
「消費税率10%への引き上げの凍結や、議員定数の削減にも言及した。有権者に受け入れられやすい政策を並べた印象が拭えない」
「憲法改正には前向きだが、『9条に絞った議論でいいのか』と幅広い論議を求めている」
「希望の顔ぶれがようやく固まった段階とはいえ、衆院選は迫っている。憲法改正の個別項目や外交・安全保障を含めた体系的な政策を早期に明確にしてほしい」

どの政策批判もそれなりにうなずけよう。新聞の社説は批判であってもこうありたいものである。特に「大衆迎合」という批判は、毎日社説でも「ポピュリズム」という表現でなされている。急造政党であるから、やはり大衆迎合的になってしまう。小池新党の大きな欠点のひとつである。

最後に読売社説は「小池氏は『都政に磨きをかけるには国政への関与が必要だ』と語るが、一層の説明が求められる」と小池氏に注文しているが、沙鴎一歩もそう思う。

それでも小池新党に期待する理由

今後、都政と国政にどのように関与していくのか。有権者に対し、さらなる説明がなければ、都議選のようには圧勝することはできないだろう。これからの小池氏の発言を注視していく必要がある。

それでも沙鴎一歩は小池新党に期待している。「安倍1強」を打破する野党第1党の政党になってほしいからだ。そして日本にアメリカのような2大政党制を実現し、民主主義を推し進めてもらいたい。そのためには読売社説が論じたように党としての政策をより具体的に国民の前に明らかにすべきである。

たとえば安倍政権の対立軸として「脱原発」はわかりやすい。だが、問題は現実性である。太陽光や風力などの自然エネルギーで、本当に代替できるのか。太陽が出ていなければ太陽光発電はできないし、風が吹かなければ風力発電もできない。原発に代わるベース電源に何を持ってくるかを具体的に提案すべきだ。

北朝鮮問題にしても安倍政権のように「圧力」のみを考えるなら事態は悪化する一方だ。繰り返し主張しているように「目には目を、歯には歯を……」では駄目なのである。いちはやく体系的な政策を示してほしい。

(写真=AFLO)
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