女優・真木よう子が年末のコミケに参加しようとして批判を浴びた。一方、今年夏のコミケに“降臨”し、コミケ参加者に絶賛されたのが叶姉妹だ。叶姉妹はなぜ受け入れられたのか? 彼女たちの言葉を探ると、異文化交流の神髄が見えてくる。
叶姉妹のオフィシャルブログ
叶恭子
「世界のどのような場所であっても、未知の世界のルールとマナーを熟知しなければ、わたくし達が真の敬意を払っていることが伝わらないでしょう」

――叶姉妹オフィシャルブログより(2016年12月26日)https://ameblo.jp/kanosisters/entry-12231561264.html

女優の真木よう子が今年12月に開催される「コミックマーケット93」(コミケ)への参加を表明したが、参加者などから猛批判を浴びて炎上状態になっている。結局、真木は謝罪を行い、コミケへの出展を取り消した。

ここで思い出すのが、今年8月に開催された「コミックマーケット92」に初出展し、極めて好意的に受け入れられた叶姉妹のことだ。なぜ彼女たちはコミケ参加者たちに好かれ、絶賛されたのか? 彼女たちのブログに記された言葉から、「未知の世界」との付き合い方を学んでみよう。

迷惑にならないよう、全力でベストを尽くす

ゴージャスな叶姉妹とオタク文化はまったく縁がなさそうだが、2016年7月に妹の叶美香が『ジョジョの奇妙な冒険』のファンであることをブログで告白。同年末のコミケに一般客として参加し、無事に『ジョジョ』の同人誌を入手した。

しかし、3日間で延べ50万人以上もの人が詰めかけるコミケに、有名人である叶姉妹御一行がそのまま乗り込めば大混乱になりかねない。そこで2人はブログなどを活用して徹底的に「冬のコミケの知っておくべき基礎知識のお勉強とお支度」(叶姉妹オフィシャルブログ 2016年12月28日)を行った。冒頭の言葉にある通り、「未知の世界のルールやマナー」を学ぼうとしたのだ。

叶美香
「全力でご迷惑にならないようにベストを尽くすこと」のため いろいろお勉強しておりますよ。」

――叶姉妹オフィシャルブログより(2016年12月27日)https://ameblo.jp/kanosisters/archive11-201612.html

ブログではとにかく「皆さんのご迷惑にならないように」ということが強調されていた。「全力で」迷惑にならないように「ベストを尽くす」。コミケでブースを出展するのではなく、ちょっと遊びに行くだけでこの念の入れようである。