蓮舫さんの戸籍開示は「あしき前例」にならない!

そう言えば同じく二重国籍で問題となった自民党の小野田紀美議員も戸籍謄本の開示をして日本国籍を選択したことを立証した。そのことによって小野田さんのプライバシーが著しく侵害されたなんて話は聞いていない。

自称インテリはとにかく頭の中の抽象論・概念論で物事を考える。頭の中だけで理屈をこねくり回す。現実を見ない。蓮舫さんの戸籍謄本の開示について、7月13日付朝日新聞社説はプライバシーについての「あしき前例にならないか」と大騒ぎしているけど、小野田さんの戸籍謄本の開示でどれだけのあしき前例になったのか、現実を見てみろっていうの。

まず一般の人が理由なく戸籍謄本の開示を求められることはあってはならない。でも今回は二重国籍の疑いがある国会議員の事例だ。そして、戸籍謄本の開示といっても日本国籍選択宣言の事実だけを立証すればよく、あとは黒塗りで十分だ。日本国籍選択宣言の日付を明らかにしたところで何のプライバシー侵害があるのか。しかも蓮舫さんは日本国籍選択宣言の事実を公言しており、公言している以上そもそもプライバシー侵害でもなんでもない。

蓮舫さんは野党第一党の代表という公人中の公人。公人はプライバシーも名誉も制限される。報道の自由による国民チェックが優先されるということを前提に、メディアや自称インテリは政治家のプライバシーをバンバン暴くじゃないか。

僕なんか、記憶もない実父のもっともっとセンシティブな話をバンバン週刊誌に書かれた。一般人だったら完全なる人権侵害でしょ。だけど僕は公人だったから、公人である以上僕の出自は全て明らかにすべきだという意見も多かったよ。特に普段は「人権を大切にしろ!」とかっこつけて叫んでいる自称リベラルのインテリたちに限って「橋下は権力者なんだからそれくらい我慢しろ」と言ってたな。メディアでも僕を擁護する声はほとんどなかった。

自称リベラルのインテリたちは、真の人権擁護者じゃない。単に反権力を叫んでいることに自己陶酔しているんだよね。反抗期の子供のよう。あれ以来、自称リベラルの人権派インテリの似非ぶりには辟易しているよ。

その最たる御仁が、参議院議員の有田芳生。こいつだけはほんと許せないね。

週刊朝日が僕の出自を差別的に連載記事にしたとき、有田は「これは面白い!」と言い放ったんだよね。そして僕が猛反撃したら、よく分からん言い訳をしていた。その一方、今回の蓮舫さんの戸籍謄本開示問題では、「人権問題の歴史的逆行」になるから開示を許してはいけないなんて言っている。

有田は自分が嫌いな相手(僕)の出自が公になることは面白く、自分の所属する党の代表の、ちょっとした戸籍情報が開示されることはプライバシー侵害になり、人権問題にもなるから許されないと言うんだ。典型的なダブルスタンダード!

こんな有田でも有権者が当選させちゃったんだから、まあ仕方がないと諦めるしかないけど、それでもこいつの給料を税金で賄っているのかと思うと、一納税者として腹が立ってしょうがないね。

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.63・64(7月18日配信)からの引用をもとに加筆しました。もっと読みたい方は、メールマガジンで!! 今号は《民進党・蓮舫代表「二重国籍」問題でメディアはここを追及せよ!》特集です。

(撮影=市来朋久)
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