支持率を上げる闘いは総力戦! 自称インテリの甘い考えは通用しない

7月18日、民進党代表の蓮舫さんが「二重国籍」問題について記者会見を行い、自らの戸籍謄本の一部などを示して、すでに台湾籍を離脱し二重国籍状態を脱していることを明らかにした。戸籍開示に関しては「戸籍謄本の開示をしたところで民進党の支持率が上がるわけではない」「人権問題だ」などと反対する声もあったが、僕はこの蓮舫さんの行動を以下の理由から評価したい。

政党の支持率は、結局のところ代表や党の「信頼性」によって大きく左右されるんだよね。ちょっとした信頼性の高低で支持率が伸びたり、急落したり。5月まではあれだけ盤石だと言われていた安倍政権が、たった1カ月でかなり危険な状態になってしまったのも「信頼性」の低下が要因であることは間違いない。

森友学園問題、加計学園問題、その後次々に起こった自民党議員の不祥事や不適切発言を見て国民は自民党に鉄槌を下した。逆に言えば、それまでの安倍政権の支持率の高さは、政策や政治的な振る舞いには賛否両論があったにせよ国民からそっぽを向かれるような状態ではなかった、つまり信頼性が著しく欠けている状況ではなかった。もちろん民進党のだらしなさもあるけど、やっぱり党の支持率の核は信頼性なんだよね。

そして、この信頼性というものほどやっかいなものはない。何かこれをやれば確実に信頼性が高まるという魔法の杖は存在しない。そしてこんな程度のことであれば大丈夫だろうと高をくくっていたほんのちょっとしたことが大きく信頼性を低下させる。

だから蓮舫さんの戸籍謄本の開示が、ただちに支持率アップにつながるものではないにしても、蓮舫さんの信頼性を回復し、支持率を回復する一つのきっかけになることは間違いない。

支持率を上げるなんてね、ほんと大変なんだよね。メディアや政治評論家は簡単に言うけど、彼らだって視聴率を上げたり、部数を上げたりすることに皆四苦八苦している。政治評論家なんて偉そうにしゃべっているけど、実際に選挙に出たらどれだけの票が集まるのか。

「個人のプライバシーの問題だ。人権にかかわる」なんて言って戸籍謄本の開示を拒否するのは、支持率なんて気にしなくていい自称インテリの姿勢の最たるもの。確かにこんなことで戸籍謄本の開示を一々する必要はないかもしれないが、しかしそれを言うのは支持率を気にしなくてもいい立場の人だ。

蓮舫さんは、どちらの立場なのか。自称インテリか、それとも支持率を気にする政党の代表者か。いつも書いている通り、時代が時代であれば、地域が地域であれば、政治決戦は殺し合いなんだ。それを民主国家では投票・選挙による決戦とした。その勝敗は支持率が決め手になることは間違いない。支持率が低ければ政治決戦では勝てない。こんなこと、政治では当たり前のこと。

そこへの執着がなければ政党の代表なんてやってはいけない。

日本国民は賢明だ。有権者へ単純に利益を供与するだけ、いわゆるバラマキだけでは支持率は上がらない。やはり支持の根底にあるのは、政治家や政党への信頼性だ。そして信頼性を上げるためには、信頼性を上げるためのあらゆることをやり、信頼性を損ねるだろうあらゆることを止めなければならない。何か一つのことをやれば確実に信頼性が上がり、支持率が上がるというものではない。支持率を上げるための闘いは総力戦なんだよ。

蓮舫さんが政治家なら、そして政権与党を倒すべく活動している野党の代表なら、信頼性を欠いたこれまでの行為を挽回すべく、徹底した対応をしなければならない。その一つが戸籍謄本の開示だろうね。このことで直ちに支持率が上がるものではないけど、支持率を上げるための第一歩。