大好きなテレビ番組が打ち切りになったとき、視聴者としてなにをすべきか。番組が復活するための近道は、SNSに寂しい気持ちを書くことではなく、テレビ局に復活を要望するメールを送ることだ。実際に今年の春、テレビ東京は視聴者からの約250通のメールがきっかけで、ある番組を復活させた。人気バラエティ番組『ゴッドタン』などを担当するプロデューサーの佐久間宣行氏と、編成部の森本泰介氏に、その経緯を聞いた。

上層部を動かした「250通のメール」

視聴者の熱い要望に応えて、一度は終わった番組が復活を果たす――。そんな経緯で今年の春からテレビ東京に舞い戻ってきたのが、芸人・千鳥がMCを務める深夜バラエティ『NEO決戦バラエティ キングちゃん』だ。

復活第1回放送の冒頭は、同番組プロデューサー・佐久間宣行氏が千鳥のふたりに番組の復活を伝えに行く場面から始まった。『キングちゃん』はもともと、昨年7月にレギュラー放送が始まり、お笑いファンを中心に高い評価を受けながら12月で終了。お正月のスペシャル回を経て、この春再びレギュラーに返り咲いた。

この復活劇に際して、番組側からは、復活を求める視聴者の声が大きかったことが大きな要因になったと発表された。テレビ東京には、いったいどれくらい熱い反響が寄せられたのか? プロデューサーの佐久間宣行氏と、編成部の森本泰介氏に話を聞いた。

――『キングちゃん』復活おめでとうございました。復活の発表ニュースでは、「視聴者からの熱い声が届いた」という文章が見られましたが、実際にどんな要望が来たんですか?

【佐久間】そもそも『キングちゃん』の第1期は、1クール空いている枠があるということで始まった番組でした。それが急きょ延びて2クールできることになり、そのあとにお正月の特番として放送して、いったんここで番組は終了しています。2クール目に入るときに「本当は1クールで終わる予定が、もう1クールやれることになった」って言っちゃったんですね。そこで視聴者の方も「2クールで終わっちゃうんだ」とわかって、「終わらせないでください」ってメールが届きだしたんです。

【森本】テレビ東京のホームページに設けている、視聴者の方からのご意見などを受け付けるメールフォームに続々と届きました。社内では1週間に一度、メールで届いた特筆すべきご意見をまとめた紙資料が配られるのですが、そこでも『キングちゃん』を望む声はダントツで多かったです。