うつの罹患率や過労死の数について統計をとると、男女で大きな差が出ることがわかっています。うつ病では、女性の罹患率は男性の2倍。過労で死ぬのは男性がほとんどです。

では、どうして女性のほうが男性よりうつ病になりやすいのでしょうか。まず、脳科学的な理由が挙げられます。「エストロゲン」という女性ホルモンの分泌の減少が、うつを引き起こす直接の原因となります。エストロゲンは、人の感情、気持ちを高める「セロトニン」という脳内物質に作用するホルモンなのです。つまり、生理や妊娠、閉経などでエストロゲンが減少すると、セロトニンも減少し、抑うつ的な気持ちを引き起こしてしまうのです。

(構成=伊藤達也)
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