社外秘の資料でも「私的」と認められない

社内プレゼンにちょうどいい写真をネットで発見。しかし、ネットで見つけた写真を資料に使うことについては慎重に考えたほうがいい。著作権法上、クロに近いグレーだからだ。

社内で使うだけで、外に出すわけではないから問題ないと考える人もいるだろう。しかし、それはよくある誤解の一つ。知的財産権に詳しい桑野雄一郎弁護士は次のように解説する。

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社内資料に使える画像

「著作権には、著作権者の許可を得ることなく著作物を利用できる例外規定があります。たとえば「私的使用のための複製」(著作権法30条)も、その一つです。問題は社内資料への流用が私的使用に当たるかどうかですが、企業内の活動はすべて営利目的。たとえ配布する相手が限られていても私的使用といえず、適法とはいえません」

企業内での複製はすべて営利目的なので、社内会議で使用する場合はもちろん、自分一人で参考資料として使う場合ですら、法的にどうかといえば、アウトということになってしまう。

著作権法で認められた例外規定の「引用」(著作権法32条)についてはどうか。

「たとえば、ある風景写真を資料に載せるとします。撮影者や撮影方法など、その写真でなければ示せないことを説明するために使うなら、引用として認められる場合があります。しかし、風景のイメージを表現する目的なら、その写真ではなくほかの写真でもかまわないでしょう。この場合は引用に当たらず、著作権法違反の疑いが強い」