トラブル頻発の思考パターンとは

「この道しかない」という認知のゆがみのほかに、「かくあるべし」という思考が強い人も危険だ。自分の中に、働き方や人生観などの確たる道徳観がなく、「かくあるべし」という「べき論」に沿った仕事をしていると、その環境下でのルールに適応しすぎてしまう。

つまり、本来誰でもが、お金を稼ぎ豊かな生活を送るために働いている。ところが、入った職場には「赤字を出したらその人の責任」「ノルマをこなさなければ会社に迷惑がかかる」といった無茶なルールが横行していたとしよう。

「かくあるべし」という思考が強い人は、そういうきついルールの中にたやすく組み込まれ、それに支配されて自分の当たり前の労働者としての権利だとか当たり前の道徳観念のほうが崩れてしまう傾向があるのだ。

その結果、売れ残り商品を自分で買わされたりして割が合わない状態になっているのに、仕事を続けるためにはしかたがない、そうすべきなのだという意識になってしまうのである。

「かくあるべし」も、認知のゆがみから引き起こされる誤った思考の1つである。今、心理学では世界のトレンドになっている認知行動療法で「自動思考」と呼ばれているものだ。

このほか、「二分割思考(すべて白か黒か、0か100かで極端にわけようとする)」「悲観的思考(どうせこの先もうまくいくはずがない)」「ラベリング(自分や身近な人にネガティブな偏見を持つ)」「過小評価(うまくいかないことばかりに注目し、成功したことは忘れている)」などがある。

人の支配を受けやすかったり、対人関係のトラブルに巻き込まれるという人は、このような思考に陥りがちだ。これらのよくない思考パターンを知って、自分の持っている認知のゆがみに気づくだけでも、自分から支配の罠にはまっていくのを避けるのには役立つ。

これが心が支配されるプロセスだ!