地震を予知できないことは“常識”である。だが、この“常識”を覆すインターネットサービスが登場した。IT企業のテンダが提供する「予知するアンテナ」だ。この新サービスは地震発生の1週間以内に会員にメールを送る。その的中率は約7割にも達するという。

地震予知には長期、中期、短期の3種類がある

昔から大地震に見舞われ続けてきた地震大国ニッポン。2011年の東日本大震災、今年の熊本地震で甚大な被害を被ったことは記憶に新しい。しかし、「地震を予知することは不可能なので、せいぜい地震が起きたときの備えをすることが大切」と、多くの日本人は思っているに違いない。実際、東日本大震災後などに、国(中央防災会議)は「地震(短期)予知は不可能である」と宣言している。

だが、この“常識”に「NO」と唱える人がいる。電気通信大学名誉教授で日本地震予知学会会長、早川地震電磁気研究所の代表取締役でもある早川正士氏だ。

早川正士・電気通信大学名誉教授、日本地震予知学会会長

早川氏によると、地震予知はその時間スケールによって、長期予測(100年以上)と中期予測(数十年)、短期予測(数週間~1カ月)の3つに分類されるという。

「地震予知不可能論は、長期予知と中期予知に重点を置く地震学の研究手法では短期予知が困難であるという結論に過ぎない。地震予知学は短期予知を対象にし、地震が起こる前に、いつ、どこで、どのくらいの規模(マグニチュード)の地震が起こるのかを研究しており、実際に数多くの地震を予知してきた」と早川氏は力説する。

地震の前に地下層(断層帯)で何が起こっているのかについて、早川氏は割り箸を使って説明する。

割り箸をゆっくり折り曲げ続けると、折れる前にパチッパチッというひびが発生し、さらに力を加えると破壊(地震)に至る。そのひび割れのときに、プラスとマイナスの電荷が発生し、直流なら巨大なバッテリー(乾電池)が、交流なら小さなアンテナが多数発生すると考えられる。この震源域での電池あるいはアンテナの生成により、様々な電磁気現象が起こるという。また、ひび割れは地震の約1週間前に起こるという。