三越伊勢丹は今年の正月、一部店舗で2日間休業し3日に初売りを行いました。三越日本橋本店など3店舗では、4月から営業時間を30分短縮し9時間営業に変更。2009年からは2月・8月に定休日も設けています。こうしたチャレンジで売り上げは下がらないのか? 何のために「労働時間短縮」という働き方改革に取り組むのか? 三越伊勢丹ホールディングスの大西洋社長にうかがいました。
(左)大西洋社長(右)白河桃子さん

女性管理職7割を目指して

【白河】働き方改革に取り組む経営者にお話をうかがっていますが、どうしても対面販売の現場があるサービス業では、動きが鈍いような気がします。その中では本当に先駆的な存在である大西社長にぜひお話を伺いたいと思っています。まず、女性活躍推進にここまで力を入れる狙いは何でしょうか。

【大西】基本的に2つの要件があると思います。1つ目はお客さまです。当社は、お客さまも8割以上が女性ということを踏まえると、将来的にはやはり女性が中心になっていくべき会社だと思うのです。

でも現状は、男性のマネジメントのほうが圧倒的に多い。時代性もあったと思いますが、それを是正していかなければいけない。

2つ目は、採用の時点の実力で評価をすると、8割が女性。

実際には5対5で半々の採用にしていますが。やはり女性が小売業に向いている。ゼネラルに言うと、女性のほうが感性とか行動力などが圧倒的に優れているのではないかと思います。

【白河】そこまでの思いを女性活躍に持っていただいているとは、女性の立場としては本当にありがたいですね。