日本発・超A級ハイテクベンチャーの登場

日本のフィンテック産業の中から、マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブックに続く、“超A級ハイテクベンチャー”が登場してきた。

生体認証・空間認識等の画像解析を手掛けるLiquid(東京都千代田区、代表取締役:久田康弘氏)だ。

AI(人工知能)を使い、銀行のATMで使われている従来の静脈認証と比較し、圧倒的に正確で高速な「Liquidエンジン」がコア技術。これによって、日本国内、アジア地域を中心とした世界で「様々なカードを駆逐することができる」(保科秀之・Liquid Japan 代表取締役)という。

8月25日、NHKの番組「おはよう関東甲信越」で経済産業省が進める指紋認証の実験「おもてなしプラットフォーム」の紹介があった。東京オリンピックに向け、外国人観光客を呼び込もうと始めた事業だ。

<シーン1>
箱根。海水浴場の海の家。「海水浴、手ぶらで楽しめると便利ですよね?実はそれが指でできちゃうんです」と女性MC。ジュースや食べ物を買うのにお金やクレジットカードを持ち歩かなくても済むと海水浴客に好評だ。

指紋読み取り装置に指をおいて指紋を読み取り、自分の携帯番号を登録する。代金は後日まとめて携帯電話に振り込みの案内が来る仕組み。

<シーン2>
東京・東池袋のサンシャインシティ・プリンスホテルのロビー。指紋だけで簡単にチェックインしてもらおうという実験が行われている。希望する外国人客に指紋とパスポートを登録してもらう。2回目からは指紋でデータを呼び出すだけで済む。将来的には空港などで、指紋のほか、パスポートやクレジットカードなどのデータを一括して登録。買い物や宿泊など、手ぶらで観光できるようにする計画。

<シーン3>
神奈川県湯河原町。湯河原温泉観光協会は5月から地域ぐるみで指紋認証を使ったクーポンを発行する実験を開始した。参加している宿泊施設に泊まると地域の店約40軒で利用できるクーポンが指紋認証でもらえる。10月からは鎌倉や箱根でも指紋認証を使ったサービスの実験が始まる。経産省では来年(2017年)2月までこうした実験を続け、課題を検証した上で、普及につなげていきたいという。